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Ch. 27 Ep. 1: むかし話

部と同好会の合同合宿が終わり、校内オーディションに向けてそれぞれの期間限定ユニットのパフォーマンスに磨きをかけていく。一方、栞子は家での薫子との生活に息苦しさを抱えていて……?

栞子

姉さんは、いつまでいるんですか?

薫子

いつまでって冷たいなー栞子。
ここは私の家でもあるってのに。
私が帰って来て迷惑だった?

栞子

そんなことっ……

薫子

あははっ、冗談よ冗談。
からかいがいがあるね、相変わらず

薫子

まあ、教育実習を無事に終えなきゃどこにも行けないし。
だからそれまで我慢してちょうだいな

栞子

……また、出て行くんですか……?

薫子

いつまでいるのか聞いてみたり、
また出て行くのかと言ってみたり、
栞子ってばおもしろい子ね

薫子

とりあえず、ここにいる間は
妹を思いっきりかわいがろっかな~って
思ってんのよ。OK?

栞子

いえ、結構です

薫子

結構と言われてももう用意しちゃってるし。ほら見てよ。
世界中回って集めてきたボードゲーム!
どれにする? 栞子が決めていいよ

栞子

もう寝る時間ですから

薫子

いいじゃんいいじゃん、少しくらい夜ふかししても。
ゲームしながらお話しようよ。
姉妹団らんってやつ

栞子

教育実習生とはいえ、教師が夜更かしを薦めるとは……

薫子

はいはい、ほら、これにしよっか。
説明書読むからね~……

栞子

はぁ~……一回だけですからね?

薫子

わかってるわかってる

栞子

絶対にわかってませんよね?
昔から姉さんはそうやって――

薫子

そうだ! 昔って言えばさ、
ランジュとも久々に会えて嬉しかったわ!

薫子

あの子と会ったの、いつ以来かな? うーん……
3人一緒にガールスカウトに参加して以来……?

薫子

ランジュまでスクールアイドルをしてるなんてねえ。
部まで作ってるんだもん。びっくりしちゃったよ

薫子

栞子は覚えてる?
ガールスカウトに行ったとき、ランジュってばひとりで
どんどん課題をこなしちゃってすごかったよね

栞子

そういえば、そんなこともありましたね

薫子

私たちなんか、班のメンバー総出でやっとだったのにさ

栞子

……思い出しました

栞子

課題の後、姉さんが私たちみんなを探検に連れ出して、
夕方になっても戻ってこないと騒ぎになりましたね……

薫子

そうそう、楽しかったよね~!

栞子

私は不安でたまりませんでしたよ

[Fade in/out.]

おっはよ~!

ランジュ

おはよう、愛

またランジュに先越されてるー。
愛さんだって早くきてるつもりなんだけどなあ

ランジュ

うふふっ、ランジュはいつだって一番だもの

ん? それ、ノート? なに書いてるの?

ランジュ

まだ秘密。出来上がったら見せるわ

果林

あら、おはよう、愛

ええ!? カリン、もう来てたの!?

果林

合宿のときの生活リズムを崩さないようにしてみたのよ。
体もいい感じに動くし

もー! 明日はもっと早く来るからね!

果林

でも愛、ランニングしながら登校してきたんでしょ?
だったら愛のほうが練習を始めた時間は早いかもね

え? どうしてわかるの?

果林

その格好を見ればわかるわよ

ミア

ふああ……。
Morning.
みんな……

果林

おはよう、ミア

おはよー! こんなに早く来るの初めてじゃん!

果林

ミアも合宿のときの生活リズムに慣れたのかしらね?

ミア

まあ、早起きは気持ちいいってことはわかったよ

ランジュ

ああ~! 本当にアナタたちってすばらしいわ!
もちろん同好会の子たちも!

ランジュ

ニジガクのみんなって最高よ。
ユニットを組んだのにも驚いたわ。
いつだってみんな前向き!

ランジュ

ほんと、アナタたちみたいな子は初めて……

ランジュ

ランジュも、もっともっと本気でいくわ!

ミア

いつまでもそんな余裕のあること言わせないからね

おお! ミアチがやる気だ~!

栞子

おはようございます! はあ、はあ……

果林

おはよう、栞子ちゃん。
どうしたの、そんなに慌てて……

栞子

寝坊してしまいました……

ミア

慌てるほどの寝坊じゃないよ

めずらしいね? 眠れなかったの?

栞子

姉が、寝かせてくれなくて……


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