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Ch. 4 Ep. 3: お祭り前夜

悩んでいた歌詞もバリバリと書き上げいつもの調子に戻った千歌。
いよいよサマーフェスティバルを明日に控え、期待のボルテージが高まっていく。

ワン、ツー、スリー、フォー、ここで!

[Fade in/out.]

千歌

ポーズ……ッ! 
出来たぁ!

鞠莉

ふー……。パーフェクト、なんじゃない?

ルビィ

い、一番不安だったところ、ちゃんと出来るようになったよ~っ

花丸

やったずら~っ

あなた

みんな、タオルとドリンク持ってきたよ! どうぞ!

千歌

ありがと~。はぁ、つめた~い……

あなた

ダンス、すごく良かったよ! 
完成度だけじゃなくて、気迫っていうか、見てるだけで心臓が
わしづかみにされるみたいで……!

千歌

ありがとう。
そう言ってもらえると自信が湧いてくるよ~♪

ダイヤ

まだ練習段階ですわよ

あなた

分かってる。でも、練習でもこんなにすごいのに、ちゃんと
ステージで観たらどうなっちゃうのか、ちょっと怖いくらい

善子

本番はこんなものじゃないわよ。完成された魔の波動は、
祭りの舞台から地上を包み込み全人類を闇の眷属に、もごっ

花丸

はいはい。ちゃんとタオルで汗を拭くずら~

果南

ダンスもばっちり仕上がってるし、これなら、
明後日の本番も自信を持って臨めそうだね

梨子

そうね。
素敵な歌も完成したし、ね

千歌

えへへ♪

果南

さて、どうする? 
もう1回通してやってみようか?

ダイヤ

そうですわね。
サマーフェスティバルが始まれば、
練習時間はほとんど取れないでしょうから

梨子

となると、ちゃんと練習出来るのは、
実質今日が最後ってことかしら

千歌

じゃあ、最後の練習時間、出来ることをしっかりやって、
本番に備えよう!

ダイヤ

では、15分後にもう1度、
最初から通してやってみましょう

[Fade in/out.]

あなた

――――あ、今日も太鼓の音が聞こえる

千歌

あっちも本番に向けて最後の練習中かな。
太鼓は土日とも演奏があるから

太鼓の音って、お腹にドンドン響いて気持ち良いよね~。
早く間近で聴きたいな♪

鞠莉

この音をBGMに帰るのも、今日がラストかしら? 
ちょっぴり寂しいわね

善子

家に帰っても聞こえるでしょ?

花丸

分かってないずら、善子ちゃん。
季節と共に流れゆく時間に哀愁を感じるのも、日本人の心ずら

善子

ドヤ顔で言われるとなんか腹立つ

ルビィ

ルビィもそれ、分かるかも。サマーフェスティバルは
もちろん楽しみだけど、準備もすごく楽しかったから、
それが終わっちゃうって思うと……

果南

始まる前が一番楽しい、なんて言うこともあるしね

梨子

最初にサマーフェスティバルの話を聞いたのが、
つい昨日のことみたい。
ほんと、あっという間に時間が過ぎちゃったね

ダイヤ

さぁみなさん、明日はいよいよ本番です。
今夜は早く寝て、しっかり英気を養ってください!

みんな

はーい!

[Fade in/out.]

あなた

(えーっと、料理販売は10時からで、
 それぞれ交代でお祭りを回って……)

あなた

(あー、早く寝ないといけないのに
 目が冴えてしょうがない……!)

あなた

え? は、はい。
どうぞ……

あなた

(こんな時間に、誰だろう?)

千歌

こんばんは~

あなた

千歌ちゃん! どうしたの?

千歌

えへへ、明日のこと考えたらドキドキして眠れなくて……
あ、ごめん。もしかして寝るところだったかな……

あなた

ううん、実は私もまだ眠くないんだ。
むしろ徹夜しちゃうんじゃないかって心配なくらい

千歌

あはは! 
ねぇ、それならちょっとお話しない?

あなた

いいよ。もちろん

千歌

やった~♪ お邪魔しまーす♪

あなた

千歌ちゃんの家なんだから気にすることないのに

千歌

ここは私の家であって私の家ではないのです!

あなた

ああ、それもそうか。客室だもんね

あなた

……ライブ、楽しみだね

千歌

うん! ライブだけじゃない、サマーフェスティバルの全部が
きっと楽しくて素敵なものになるよ

あなた

そうだね。私も、そんな予感がする

千歌

曲のこと、相談に乗ってくれてありがとう。
あなたがいてくれたから、あの曲は完成したんだよ

あなた

ええ? 私は全然大したことはしてないよ……。
お祭りについて言ったことも、Aqoursと一緒に準備に
参加させてもらえたから言えたことだし

千歌

うん。でも、やっぱりあなたがいなかったら、最後の、
完成の形には出来なかったと思う

千歌

もしあなたがいなくても、それはそれで別の形になったのかも
しれないけど……私は、あなたがいて出来たあの曲が、
すごく良いって思うから

千歌

だから、ありがとう!

あなた

(千歌ちゃんが言ったように、人と人が巡り合って、
 新しい何かが生まれる。それはお祭りだけじゃなくて、
 きっとスクールアイドルもそうなんだ)

あなた

(私がいたから出来たと千歌ちゃんは言ってくれた。
 サマーフェスティバルを彩る最後のピースは、
 私とAqoursが出会って完成した)

あなた

(サマーフェスティバルの準備をAqoursがしていたこと。
 そこで歌う曲を作っている最中だったこと。
 そんな時に、私が『ここ』に来たこと……)

あなた

(それはきっと、ううん、絶対に……意味のあることなんだ。
 スクールアイドルを繋ぐ輪に、私も入れたってことかも
 しれない)

あなた

私こそ……ありがとう。Aqoursの曲に関われて良かった。
本番、絶対成功させよう!
最後まで全力でサポートするよ!

千歌

うん、よろしくね! 
サマーフェスティバルもライブも、一緒にやり遂げよう!


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