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Ch. 4 Ep. 2: お祭りを創るもの

サマーフェスティバルの記録係を引き受けることになったあなただったが、昼間の千歌の様子がひっかかる。すると、同じように感じて千歌を訪ねてきた梨子にばったり会って……。

あなた

(ふ~。温泉、気持ち良かった~……!
 やっぱり広いお風呂は良いなぁ♪)

あなた

……あれ? 
梨子ちゃん!

梨子

こんばんは。お風呂上り?

あなた

うん。梨子ちゃんは……どうしたの? 
もう夜なのに……

梨子

うちのお母さんが煮物をたくさん作ったから、お裾分けに

梨子

それと、サマーフェスティバルのことで千歌ちゃんに
ちょっと確認したいことがあって

あなた

確認……実は、私もちょっと気になってることがあって、
部屋を訪ねてみようと思ってたんだ

梨子

そうなのね。
それじゃあ、一緒に行ってみよっか

あなた

うん

[Fade in/out.]

梨子

千歌ちゃん、起きてる?

あなた

こんばんは、失礼します……

[Fade in/out.]

千歌

ひょえっ!? 
わわわっ!

千歌

ふ、2人とも、どうしたの!?

あなた

起きてた

梨子

突然ごめんね。
ちょっと話があって……

千歌

話?

あなた

千歌ちゃん、今、すごく真剣に何か読んでたけど……

千歌

え、えーと……

梨子

……千歌ちゃん、
もしかして、曲のことで何か悩んでることがあるんじゃない?

千歌

えっ

あなた

私もそう感じる。
昼間、ライブの話題になった時、千歌ちゃんの様子が
ちょっと変だった気がして

あなた

ライブって、始まるまですごく不安だし、
曲やダンスも、このままで大丈夫なのかギリギリまで
悩んじゃうものだと思うから

あなた

もし、千歌ちゃんがそういうことで悩んでいるなら、
力になりたいと思って……。
何でもお手伝いするって宣言したしね!

梨子

私も同じ気持ちよ。
それに、曲のことならAqours全体に関わることでもあるわ。
1人で抱え込まないで

千歌

2人とも……ありがとう

あなた

と言っても、部外者の私がAqoursの曲にあれこれ言える
立場じゃないかもしれないけど……

千歌

そんなことないよ! 力になりたいって言ってもらえて、
嬉しかった。2人の言う通り、ちょっと引っかかってることが
あるの。聞いてくれる?

あなた

うん

梨子

聞かせて

千歌

ありがとう

千歌

えっとね、サマーフェスティバルで歌う新曲の……
歌詞のことなの。これ

あなた

これって、歌詞ノート? 
さっき読んでたのはこれだったんだね。私も読んでいいの?

千歌

もちろん!

梨子

もともと、歌詞については結構悩んでいたのよね。
Aqoursのみんなとも相談して、形になってきたところ
だったんだけど

あなた

そういえば、初めて会った時も、曲作りに行き詰ってるって
言ってたね……

千歌

お祭りで歌う曲だから、お祭りの賑やかさとか、わくわくする感じとかを出した曲にしたいと思って、歌詞を書いたんだ

千歌

ライブを観に来てくれた人達が「楽しかった!」って心から思えるような曲にしたくて

あなた

歌詞にもその想いがちゃんと表れているように感じるよ。
でも、これで完成……じゃ、ないんだね?

千歌

うん……。いつもはね、歌詞が完成した時は
「出来た!」「これだ!」って感じになるんだけど

千歌

今回は最後まで書き上げても、
あんまりそういう感じにならなくて……
でも、だからってこの歌詞が全然違うっていうわけでもなくて……

梨子

何か足りない……みたいな?

千歌

そう、それー!

あなた

ああ、あるよね、そう感じる時。
着替えたのにどうも違和感があって落ち着かないと思ったら、
服のボタンが1個無くなってた~、みたいな

梨子

変わった例え方をするのね……

あなた

何が足りないんだろう。
お祭り成分もっと増やせばいいのかな……

梨子

お祭りといえば、千歌ちゃんがさっき言ってたみたいな、
賑やかでわくわくする感じよね

梨子

それに、お神輿を担ぐ掛け声とか、夜に浮かぶ屋台の灯りとか……

千歌

あなたはどう思う? 
お祭りと言えばコレ! っていうの、ある?

あなた

そうだね……うーん……、お祭りと言えば、っていうのじゃないんだけど……私、こういう町でやるお祭りに準備から参加したのって初めてなんだ

あなた

Aqoursのみんなと準備を進めながら、お祭りのために
たくさんの人が関わってるんだって知って驚いたの

あなた

お祭りを企画した人、それを宣伝する人、機材を手配する人、
会場の整備をする人、町を飾り付ける人……

あなた

みんな、来てくれる人の笑顔を願いながら準備をする。
私が知ってる『楽しいお祭り』は、そんな人達の願いが集まって
出来てるんだなぁって

千歌

そっか……そうだよね。お祭りって、大勢の人が支えてるんだ。
お祭りを創る人、それを観に来る人、どっちが欠けてもだめで……

千歌

お祭りって、みんなで創るものなんだ。
お祭りを愛するたくさんの心が巡り合って、
お祭りは出来るものなんだ……!

千歌

はっ! ノート、ノート貸してっ

あなた

は、はい! どうぞ!

[Fade in/out.]

梨子

……ビビッと来たみたいね

あなた

すごい勢いで書いてる……

あなた

(千歌ちゃんの表情、すごくきらきらしてる。
 これなら……きっと大丈夫だね)


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