Ch. 38 Ep. 6: 自慢の武器!
ダンスパートの撮り直しのため、練習を積んでいる果林。いつだって全力でパフォーマンスしてきた果林の頼もしい相棒とは……?
あなた
じゃあ果林さん、
今日はダンスの再撮影、よろしくね
果林
ええ。体をほぐしてから行くわ
あなた
うん。準備ができたら教えて!
じゃあ私も準備してくる
果林
分かったわ、また後で
[Fade in/out.]
果林
ワン、ツー、スリー、フォー、
ワン、ツー、スリー、フォー…………
果林
……ふう。
変ね。緊張してる? 私が?
果林
大勢の目に晒されることなんて慣れてるのに……
果林
やっぱり、今回のPVは特別、ってことかしら
果林
いくつもあったターニングポイントのひとつになりそう……
[Fade in/out.]
果林
……自信、あったんだけどな
果林
ギャラリーの支持がもらえないなら……
せめて、点数だけでも上をめざしたい
果林
もっと……
もっと頑張らなくちゃ
[Fade in/out.]
果林
あの子に誘われて
なんとなく始めたスクールアイドルが、
私の中で意味を変えたのがあのとき
果林
それまで、ある程度自分はやれてると思ったし、
やっていけると思った
果林
でも、全然甘かったのよね……
果林
悔しかったけど、
絵里ちゃんに負けたことで私は強くなれた
果林
自分の長所を意識して伸ばして、
自分の本気を素直にさらけだす勇気も持てた
果林
同好会で、そして部でたくさんの経験をして、
朝香果林としてもスクールアイドルとしても
成長できた……
ランジュ
いた! 見つけたわ、果林!
エマ
探したよ~、果林ちゃん
果林
え? どうしたの?
かすみ
そりゃ、なんか深刻そうな顔して
出て行かれたら気になりますよー
かすみ
今日の再撮影、緊張してるんですか?
かすみんがすーっごくかわいいの撮っちゃったから!
果林
へ?
かすみ
なんですかその気の抜けた返事ー!
かすみ
せっかく元気づけてあげようと思ったのにー!
もう知りません! ぷーん、だ!
果林
ご、ごめんね。気を遣ってくれたの?
果林
かすみちゃんがそんなふうに気を遣えるなんて……
成長してるのねえ……
かすみ
重ね重ね失礼ですよっ、もー!
かすみ
でもまあ、なんか平気そうなんでよかったです!
エマ
かすみちゃんたら大変だったんだよ。
果林先輩がいない、不安がって泣いてるかも~、って
ランジュ
果林が困ってるなら
お友達のランジュが助けないといけないでしょ?
それでランジュたち探しにきたのよ
果林
泣いて……って。
別にそんなに深刻になってないわよ
果林
けど、確かにちょっと、緊張してたみたい
果林
ふふふっ、今はそんな緊張も忘れちゃったけど
かすみ
やっぱりかすみんたちがきて
よかったんじゃないですかー!
素直になってくださいよ!
果林
うん。ありがとうね、かすみちゃん。
ふふっ、お礼にハグしちゃう♪
かすみ
あっ、苦しい! 果林先輩意外と力がつよ……
かすみ
は~……
すべすべ~気持ちいいです~
ランジュ
え? なにが?
かすみ
果林先輩のお肌、ずっとくっついてたい~
エマ
果林ちゃんはスベスベなだけじゃないよ。
ギュッて抱きしめたらいい香りがするんだから
ランジュ
ズルいわ、かすみ! ランジュもギュッてするわ!
エマ
わたしも~
果林
あははっ。
もう、こんなにぎゅうぎゅうじゃ苦しいってば
果林
私、スクールアイドルになって幸せよ。
こんなにすてきな仲間ができて……
果林
だからこそ、負けたくない。
あなたたちからもすてきだ、って
言ってもらえる私でいたい
エマ
そんなのいつも思ってるよ。
果林ちゃんは本当にすてきだもの
果林
ありがと。
でも、その言葉はもう少し後に取っておいて。
今日の撮影でもっと感動させてあげる
果林
あなたたちが褒めてくれたこの身体は、私にとって
一番の魅力で自慢なの。この身体だからこそできたこと、
できることがたくさんあるわ
果林
それを見てちょうだい!
私の全てを使った、誰にも負けない一番の表現を!
[Fade in/out.]
果林
お待たせ。撮影しましょうか!
あなた
果林さん、なにかあった?
なんだかオーラが違う……
果林
ふふっ。キミに言われた通り、
自分の原点を見つめ直しただけよ
果林
さあ、始めましょう。
最高のパフォーマンスでキミの視線も心も
全部奪っちゃうわ!
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