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Ch. 30 Ep. 4: 徹底リサーチ、開始!

モヤモヤしていた気持ちが晴れたあなた。誰が選ばれてもいいけど、誰かが選ばれてほしくない、みんなみんな大好きだから! 応援する側の気持ちを込めた曲を作ってみようと思い立つ。自分だけではない、スクールアイドルに元気付けられたみんなの声を聞きに行こう!

あなた

今までの曲とは違って、今回作りたいのは私の……ううん、
スクールアイドルを応援しているみんなが
伝えたい気持ちを詰め込んだ曲

あなた

それはハッキリしてるんだけど、
どうやって曲を作ったらいいんだろう?
今までみたいにみんなの話は聞けないし……

あなた

スクールアイドルを応援する
みんなの気持ちがこもった歌にしたい

あなた

じゃあ、その人たちに話を聞く?
お手紙やメールを募集したり……

あなた

悩んでても仕方ないか、
聞きに行けるところから行っちゃえ!

[Fade in/out.]

あなた

いきなりすみません。
美里さんのお話を聞きたくて……

美里

ふふ、私たちスクールアイドル好きの同志じゃない。
そんなにかしこまらないで。
でも、私の話を聞きたいってどういうことかしら?

美里

あ、もしかして、愛ちゃんになにか……

あなた

いえ、愛ちゃんに困ったことがあるとかじゃないです!
それは安心してください!
今の愛ちゃん、すっごくやる気に満ちてて……

あなた

むしろセーブして、って頼んで欲しいかも……
練習しすぎかな、って思うことがあるので

美里

わかったわ。
それについてはそれとなく愛ちゃんに話しておくわね

あなた

はい、お願いします。
でも今日話したかったのはそういうことじゃなくて……

あなた

えっと……
とにかく美里さんの思いを聞かせてほしいんです

あなた

美里さんのスクールアイドル愛、って言うか、
愛ちゃんのことでもなんでも。
なんか漠然としててすみません

美里

うーん……そうねえ……

美里

取り留めもない話になっちゃうんだけど……

[Fade in/out.]

美里

私と愛ちゃんて、ずっとこの町で一緒に育ったの

美里

今は愛ちゃんのおばあちゃんも家にいるほうが多いけど、
昔はお店に出てることが多かったのよ

美里

だから愛ちゃん、小さいときは
うちに来ることが多かったのよね

美里

愛ちゃんは昔からあんな感じ。
元気いっぱいで、外で遊ぶのが大好きだったんだ

美里

でも、私は体が弱くてあまり付き合ってあげられなかった。
虫取りに行っては熱中症になったり、
霜柱を踏む遊びをしては風邪をひいたりね

[Fade in/out.]

美里

だから愛ちゃん、私と一緒だと部屋遊びばかりで、
満足に遊べなかったんだろうなと思うのよ

あなた

え、でも愛ちゃん、
美里さんと遊んだときの話をよくしてましたよ

美里

そういう子なのよね。人に合わせちゃうの。
それで、それを苦に思わないんじゃないかしら

美里

一緒にいるみんなが楽しいことをしよう、
そのほうが自分も楽しい、って考える子なのよ

美里

わがままとか、全然言わないの……

あなた

……

美里

私が言わせてあげられなかったのかもしれないけどね

美里

でも、しっかりしすぎ、ってくらいしっかりした子だった

美里

わがままも言わないし、泣いたり怒ったりもしない……
どこかで我慢してるんじゃないか、って心配だったの

あなた

美里さん……

[Fade in/out.]

美里

でもね、スクールアイドルを始めてから愛ちゃんは変わったわ。
悔しがったり、泣いたり怒ったり落ち込んだり……大忙しよ

美里

愛ちゃんにしてみれば、安定が損なわれたわけだから
よくないことなんだろうけど、私はちょっと安心しちゃった

美里

愛ちゃんはちゃんと爆発できる子なんだな、って

美里

愛ちゃんね、部で力試しをするのを決めたときは
すごく悩んでたのよ

美里

挑戦してみたい、
でもみんなを傷つけちゃうことにもなる、
どうしたらいいの、って言ってたわ

美里

部と同好会でトーナメント戦をやったときは、
せつ菜ちゃんに負けてわんわん泣いてた

美里

全力でぶつかると、相手も全力できてくれる。
それは楽しいんだけどまだまだ敵わないのが悔しいんだ、って

あなた

そんなことがあったんですか

あなた

確かにせつ菜ちゃんに負けた時、愛ちゃん泣いてました。
でも、翌日はいつも通りで……

美里

あなたにそういうところを見せるのは、
まだ恥ずかしいのかもしれないわね

美里

でも、そういう悩みの相談相手になるのは、
そう遠くないうちに私からあなたに変わっちゃうわよ

[Fade in/out.]

美里

だから、あなたにはわかってほしいの

美里

スクールアイドルは愛ちゃんに自由をくれた。
自分をどう表現してもいいんだ、全部受け止めてくれるんだ、
っていう自由を

美里

これから、愛ちゃんはもっともっと自分の好きなことを追求して
自分で楽しいことを作っていくわ。
そしてそれを私たちにも分けてくれる

美里

「楽しい」は愛ちゃんの最大の武器。
その魅力で、私たちをどんどん楽しいことに
巻き込んでくれるんだと思うわ

あなた

……はい! 私もそう思います!
愛ちゃんはすごいスクールアイドルですから!

おねーちゃん、ちょっと聞いて――
あれ、どうして君がいるの?

あなた

愛ちゃん!
えっと、その、美里さんに聞きたいことがあって……

えー、なになに、愛さんも混ぜてよー!

てか、うちでもんじゃ食べてかない?
愛さんスペシャルおごっちゃうよ!
おねーちゃんも一緒にさ!

あなた

えーと……

美里

そうしましょうよ!

あなた

えと、じゃあ……はい

やったー! 愛さん、話したいこといっぱいあるんだ!
ほらほら、行こ!


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