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Ch. 20 Ep. 3: 交わらない想い

香港からやってきて、あっという間にスクールアイドル部を立ち上げたというランジュは、なんと理事長の娘。その地位をいいことに、同好会にスクールアイドル活動禁止令を出したのだという。そして、ランジュからの勧誘を受け、愛と果林はスクールアイドル部に転部!プロがバックアップするというスクールアイドル部と同好会、どっちがいいの!?

かすみ

とにかく、部外者とはお話したくないですし、
お顏も見たくありませーん! ぷんだ!

果林

部外者って……。まあ、そうなんだけど……

そんなこと言わないで、かわいいお顔見せてよっ

かすみ

えっ、かわいいお顔!?

かすみ

って、騙されません!
同好会やめて部に行っちゃった人なんて知りませんっ!
ぷんだぷんだ! 

そんなこと言わないでよー、かすかすー

かすみ

ちょっ、抱きつかないでくださいー!
あと、かすみんです!

しずく

かすみさん、落ち着いて。ナデナデッ

かすみ

むう~

果林

……この様子だと、もう話は聞いたかしら?

あなた

うん、大体は。果林さんと愛ちゃんは、部に行ったってことかな?
さっきのライブにも出てたよね?
二人の話も聞きたいんだけど、いい?

果林

うふふ、キミのそういうところお姉さん大好きよ。
積もる話もあるし、あとでデートしない?

かすみ

こらー、先輩を誘惑しないでください!

かすみ

こっちには最終兵器歩夢先輩がいるんですよ!
さあ、言っちゃってください! 歩夢先輩!!

歩夢

え、ええっ!? な、なんて言えばいいかな……

かすみ

んもおお~~! いっつもかすみんには言ってるでしょぉ~~!!

[Fade in/out.]

しずく

じゃあ、仕切り直しまして。
果林さん、愛さんのお話も聞きましょう。
先輩、なにから聞きたいですか?

あなた

果林さん、愛ちゃん、部での活動、楽しい?

かすみ

先輩!
それじゃあ、いつものおしゃべりと同じじゃないですかー!

あなた

ええっ!? そ、そうかな?
えっと……じゃあ、あの、部に行った理由とか?

かすみ

そんなの決まってます! 果林先輩も愛先輩も、
スクールアイドルとしての誇りを失くしちゃったんですよ!

それは違うよ! 愛さん、スクールアイドルの誇りはあるもん!

愛さんだって、同好会で活動できるのが一番だよ?
でも、実際ほとんど活動できないじゃん。
だったら、練習だけでもやっときたい

それに正直、部のやり方に興味があった。
なんにも知らないまま全否定はしたくなかったんだよ。愛さん、
スクールアイドルが好きな人とはみんな友達になりたいしさ

彼方

でも、彼方ちゃんはみんなで団結したかったな~

果林

私はお友達を作りたくて同好会に参加したわけじゃないわ。
もちろん、みんなはいい子だし大好きよ。こうして出会えたことに感謝だってしてる。かけがえのない存在だわ

果林

でも、なんでもかんでも一緒っていうのは違うと思う。
私たちは仲間でありながらライバル同士、
お互いを磨きあい高めあう関係でいたいの

果林

だから、私と愛のやり方も認めてほしい。
現に、私たちのパフォーマンスは
みんなの刺激になってるでしょう?

せつ菜

そ、それは確かに……。
果林さんと愛さんのダンス、
ちょっと前とは段違いです……

歩夢

そうだね。負けないように頑張らなくちゃ、
って気持ちになる

部は、やっぱりいろんなもののレベル高いよ。
さすがプロ集団って感じ

あなた

プロ? プロって何のプロ?

果林

作詞家、作曲家、振付師、演出家……
クリエイティブを担当してるのは、
ランジュが連れて来た各業界トップクラスのプロなのよ

あなた

なるほど……だからあんな圧倒的なステージができるんだね……

エマ

……でも、果林ちゃんは、今、歌えてないよね?

果林

エマ……

エマ

ランジュちゃんのバックダンサーじゃなくて……。
わたしは、果林ちゃんのパフォーマンスが見たいのに……

果林

あそこでは仕方がないことなのよ。
部は、一番完璧な人がセンターに立つステージ作りをしてる。
今はランジュがセンターの立場にあるってこと……

果林

後ろから見ているとわかるの。
あの子のパフォーマンスはずば抜けてる。圧倒的にね

果林

ただ、私だってずっとバックダンサーをしているわけじゃないわ。
いつか私がメインになる

エマ

メインとかバックダンサーとかじゃないの。
わたしは、ランジュちゃんより
果林ちゃんのほうがずっとすごいと思うもん

かすみ

そうですよ。ランジュなんて全然すごくない……

かすみ

……いえ……すごい人かもしれません。
かすみんだって、あの人が上手なのはわかります。
でも……でも、すごいスクールアイドルではないですもん!

あなた

かすみちゃん、落ち着いて

かすみ

せんぱ~い!

果林

ねえ、あなたたちも一度部にきてみない?
プロが協力してるだけあって、やってることは高度よ。
勉強になることがたくさんあるわ

そうだよ。ランジュだって喜んで迎えてくれるよ

エマ

わたし、絶対に行かないから

かすみ

かすみんもです

彼方

彼方ちゃん、自分が好きなようにやりたいも~ん

せつ菜

私も……自分の大好きなことをしていたいです……すみません

歩夢

あのね、この話、今日だけじゃなくて何度もしてるの。
その度に意見がまとまらなくて……

しずく

私たちだけでは答えが出ないので、
先輩が帰って来たら意見を聞いてみよう
ってことになっていたんです

璃奈

あなたは、どう思う?

あなた

ごめん、まだ話を頭の中で整理しきれてないんだけど……
今までの話を聞いて思ったことを言っていい?

歩夢

うん

あなた

スクールアイドルフェスティバルを見て、みんなを見て、
それでここに来てくれたってことは、ランジュちゃんも
みんなと同じようにスクールアイドルが好きなんだと思う

あなた

愛ちゃんが言ったように、
同じものを好きなら友達になれたらいいなって思う。
一緒にやれるなら、それが一番いいなと思う……でも

あなた

今日のライブを思い出すと、迷う。
お客さんはみんなすごく楽しそうだったし、盛り上がってたし、
ステージも本当に圧倒された、けど……

あなた

私がアキバのビジョンでμ'sとAqoursのライブを
見た時とは、ちょっと違うような気がしたから

かすみ

先輩~! やっぱり先輩はかすみんの味方だと思いましたっ!

エマ

そうだよね、一緒にやれたらいいけど、やっぱり難しいよ

あなた

ま、待って! まだ答えを出したくないんだ。ちゃんと話をして、
もしわかりあえたら一緒にやってみたい気持ちだってあるよ。
スクールアイドルが大好きな仲間なんだから

あなた

それに、今はまず、
部室を取り戻してみんながスクールアイドル活動を
できるようにするのが一番大事なことでしょ?

あなた

だったら、話し合わなくちゃ。
愛ちゃん、果林さん、
ランジュちゃんと話すことってできるかな?

もっちろん! じゃあ早速今から行こうよ。
カリン、今ランジュって部室にいるかな?

果林

ライブの映像を確認するって言ってたから、いると思うわ。
行きましょ

歩夢

あ、あの、あなた一人で平気? 一緒に行こうか?

あなた

ありがとう、歩夢ちゃん。大丈夫だよ。いってくるね


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