うわ〜！　ここがスケートリンクかぁ……！
すごい、テレビのスポーツ中継とかで観るのとおんなじだよ〜！

スケートリンクに来るのは、初めてなんでしたっけ？

うん。せつ菜ちゃんは、
この前かすみちゃん達と一緒に遊びに来たんだよね

はい。かすみさんのほかには、
真姫さんと凛さん、曜さん、鞠莉さんも一緒でした

そっか……。いいなぁ、私は用事があったから、
せっかく誘ってもらったのに断っちゃったんだよね。
行きたかったな〜

うふふ♪　曜さん達とはまた遊びに来ようと約束しましたので、
次は是非あなたも遊びましょう

うん！

[Fade in/out.]

すーい、すい〜♪　くるくるっ♪

ふふふ♪　ステージの上でもこんなふうに、
スケートで滑るようになめらかなターンができたらいいですね〜♪

いや、足元が思った以上に不安定で、
手すりを離したら絶対転びそう……
ごめんね、せっかく来たのにこんなザマで

大丈夫、慣れれば楽しいですよ。
お手伝いしますから、まずは手すりじゃなくて、
私の手をつかんで滑ってみましょう。ね♪

……わ、分かった。みんなと遊びに来た時、
ちゃんと一緒に滑りたいもんね。
お願いします、せつ菜ちゃん！

お任せください♪

[Fade in/out.]

右、左、右、左……足の角度、注意してくださいね、
重心は氷に乗っているほうの足に置くようにして……

うん。角度に注意……重心は氷に乗ってるほう……
わ、私、ちゃんと滑れてるかな？

はい！　とても上手ですよ。ほら、見てください。
最初の手すりからもうあんなに離れましたよ！

ほんとだ……！　やってみるとできるものだね……。
せつ菜ちゃんのおかげだよ。ありがとう！

いえいえ、私は大したことはしていません。
あなたの覚えがとても早いんですよ！
この調子なら手を離しても大丈夫そうですね

えっ、ま、待って！
まだ心の準備が――うわっ！

きゃあっ！

[Fade in/out.]

いたたた……

ご、ごめん、せつ菜ちゃん！
大丈夫！？　けがしてない！？

……ふ、ふふふふふ♪

ええっ、なんで笑うの？

いえ、今と全く同じ状況があったなぁ、と。ふふふ♪

……それってもしかして、
主人公とライバルの子が練習中に転んじゃうシーン……？

！！　知ってるんですか！？
あのアイススケートアニメ！　観てるんですか！？

えーっと、前にせつ菜ちゃんにすごい勢いでおすすめされてから、
ちょっと気になって……第２話だっけ？

はい！　第２話ではまだ主人公がスケート初心者で、
ライバルの子はスケートの先輩として、
主人公に滑り方を教えてあげるんです！

手を離したら、慌てた主人公と一緒に転んじゃうんだよね。
確かに今の状況とそっくりだ。
私とせつ菜ちゃんはライバル同士なわけじゃないけど……

でも、たとえライバルでも、
その２人はお互いかけがえの無い存在なんです。
今の私達、まるでその２人になったみたいですね

かけがえの無い……な、なんか恥ずかしいね。
だけど嬉しいな。アニメの再現でも、
せつ菜ちゃんとそんなふうになれるなんて

ふふ♪　アニメじゃなくても、
あなたは私にとって、かけがえの無い大切な人ですよ

あなたが私の世界を、氷のようにきらきらと美しく、
輝かせてくれるんです