Nozomi #367: 翻弄されているのはどっち?
あなた
あれ? 希さん、どこ行っちゃったのかな?
さっきまでそこにいたのに。
仕方ない、電話を――――
希
わっ!
あなた
うわっ! も~、希さん……気配消して近付かないで……
あと何も言わずにいなくならないで……
希
そんなに寂しかったん?
気付かなかったよ~。許して♪
あなた
寂しいというか、普通に心配だから!
も~、さっきからあっち行ったりこっち行ったり。
果林さんのパーティに着ていく服を選ぶんじゃなかったの?
希
もちろんそうだよ。
いいものはどこにあるか分からないやん?
だから、色んなところを見てるの
あなた
さっき見てたの、メガネのお店だったよね……?
希
メガネだって立派なお洒落アイテムだよ。
あなたはメガネかけてるウチと、かけてないウチ、
どっちが好き?
あなた
そうだなぁ……
って、今日買うのは小物じゃなくて服! 服でしょ!?
希
え~、そこで切られたら、気になって買い物どころじゃないよ~。
気になって気になって、一歩も動けな~い
あなた
希さ~ん……分かったよ、答えるってば。
その、えっと……ど、どっちも……
希
え? 何?
おっきな声で言ってくれないと分からないよ
あなた
だから! どっちの希さんも好き!
あなた
……はっ! うわあああ、ほかのお客さんに笑われてる!
恥ずかしい~!
希
ちょっと声、大き過ぎたよね
あなた
希さんが言えって言ったくせに~!
希
ごめんごめん。
あなたを見てると、どうしてもからかいたくなっちゃうんだ
希
でも、さすがに今のはからかい過ぎたね。
お詫びに、お昼ごはんごちそうしてあげる。
ね、アイスでもクレープでも、なんでも好きなもの言っていいよ
あなた
それはごはんじゃなくてデザートだよ~っ
[Fade in/out.]
希
もぐもぐ……ん~♪ アイス美味しい♪
濃厚なバニラに、苺の甘酸っぱいソースがぴったりやね~。
あなたのアイスは何味だっけ?
あなた
チョコクッキーだよ。
クッキーがゴロゴロしてて、すごく食べ応えがある。
ほんとにこれだけでお昼になっちゃいそう
あなた
お、一番大きそうなクッキーがすくえた!
えへへ♪ いただきま――――
希
あむっ
あなた
あっ、あー! 希さん……!
希
もぐもぐもぐ……うん、美味しい!
確かにこれは、お腹いっぱいになるね
Option 1: “言ってくれればあげるのに” |
---|
あなた も~、ちゃんと言ってくれればあげるのに 希
食べさせてくれるん? ああ、それなら惜しいことしたなぁ。 |
Option 2: “私のクッキーが……” |
あなた ああ、私のクッキーが…… 希
あなたがあんまり美味しそうに食べるから、つい。 |
あなた
えっ、いや、は、恥ずかしいよ、
こんな人の多い所で……
希
多くなかったらいいの?
あなた
そういうことじゃ……
そういうこと、ですね
希
えっ!
…………必死に否定してくるかと思った
あなた
まぁ、誰も見てないなら恥ずかしがる必要もないし……
え、希さん、なんでいきなりそんなに離れちゃうの?
希
アイスが服に付いちゃったから拭こうと思って
あなた
耳赤いけど
希
も~!
そういうのは気付いても黙ってるもんだよ~!
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