にこさん、にこさーん

……まだ寝てるのかな？
映画、次の回にしたほうがいいかな……

なによ～、うるさいわね……ふわぁ～

昨日遅かったんだから、もうちょっと寝かせてよ～……
ん？

あ、お、おはよう、にこさん……
ごめんね、起こしちゃって……

……ここ、うちよね？

そうです……

何であんたがここに！？

待ち合わせに来なくて心配してきたら、
にこさんのお母さんが、通してくれたんだけど……

はあ？　待ち合わせって……え？
うそでしょ…………寝坊しちゃった！？

大丈夫だよ、にこさん。
走れば余裕！

あ、そうなの？　よかった……

って、そうじゃないのよ！
問題はそこ……でもあるけど、そこじゃないの！

にこはね、キュートでパーフェクトな
大銀河宇宙ナンバーワンスクールアイドルなの！

そうだね。
にこさんはパーフェクトだし、ものすごくかわいい

よ、よくわかってるじゃない。
だから、そのスクールアイドルが……
こんなふうに、寝起き姿を見せちゃだめなの！

あ、そっか……

そうなの！

でも、私、にこさんの素顔っていうか、
みんなには見せない姿を見ることができて、なんだか嬉しいな

ちょっ……！
あ、あんた……よくそんな恥ずかしいこと言えるわね！

はあ……もういいわ。
あんたってそういう人よね……

にこが寝坊したのは、半分はあんたのせいでもあるんだからね。
今日なに着ようか、昨日ずっと悩んでたんだから……

え？

何でもない！　すぐ用意するから、向こうの部屋で待ってて！
映画、走れば間に合うんでしょ？

あ、でも、慌てなくても、次の回もあるから……

今日はあんたを引っ張り回す気満々なのよ！
スケジュールが詰まってるんだから、映画も予定通り行くの！
いいわね！