エマさん、
本当に私、手伝わなくていいの？

いいのいいの。
あなたは座ってて

分かった。
ふふふ、エマさんのお菓子、楽しみだなぁ。
いい匂い……早く食べたいなぁ

わたしも早く食べてもらいたい！
もうすぐできるから待っててね

[Fade in/out.]

お待たせ～

できたの？　運ぶの手伝うよ……って、あれ？
何も無い。エマさん、お菓子は？
さっきまで作ってたんだよね？

うふふ♪　トリックオアトリート！
お菓子をくれないと、いたずらしちゃうよ～♪

えええ！？　い、いきなり何……
あ、そっか、もうすぐハロウィンか

ど、どうしよう、
エマさんのところでご馳走になるつもりだったから、
何も持ってきてない……！

あれ～？　何も無いのかな～？

ううっ……無いです……！

じゃあ、仕方ないね♪
いたずら決定♪

な、何するの？

うふふ♪　これだよ

わ～、お菓子！　クッキー、マフィン、マドレーヌ、
それにケーキやシュークリームまで！
これ全部、さっき作ったの！？

実は昨日から準備してたんだ。
このお菓子ぜーんぶ、わたしがあなたに食べさせてあげる。
それがいたずらだよ♪

あ、あーん……
むぐ、もぐもぐ……

あははっ！　口にクリームついちゃったね。
拭いてあげる。ちょっと動かないで

うう、美味しい……
でも、恥ずかしい……！

よし、綺麗になった。
じゃあ、二口目！

エマさん、やっぱり自分で食べ……

だーめ♪　お菓子を持ってなかったあなたは断れないよ♪
ハロウィンのルールなんだから

（エマさん、楽しそう……。いいか、このままでも。
　エマさんが笑顔だと私も嬉しいし）

次はどれにする？
ドーナツ？　チョコレート？
あ、冷蔵庫にプリンもあるよ

そんなに食べ切れないって……！

ふふ♪　わたしのいたずらでお腹いーっぱいにしてあげるね。
はい、あーん♪