トマト鍋、本当においしかったわね。
レシピを残しておきたいけど……最後の調味料がねぇ。
再現は難しいかしら

そ、そうだね。
……あの、絵里さん。聞きたいことがあるんですが、
いい……ですか？

ええ、かまわないわよ。なに？

さっきのお話なんだけど、どうやったら本当に、
絵里さんみたいなスタイルや雰囲気に、なれる？

さっきって……ああ、あのときの。
特別何かしているわけじゃないのよ？

……そうね、
璃奈と同じようにスクールアイドルとして練習に励んだり、
帰宅後はウォーキングやストレッチをしたり……

あとは、よく寝てよく食べて、体を動かす！
って普通のことしかしていないから、
参考にならないんじゃないかしら？

そ、そんなことない！　私、絵里さんみたいな、
キレイで、素敵なお姉さんの雰囲気に憧れてて……

え？　ええっ！　憧れてるって……

すらっとして、足も細くて長いし、
指もため息でちゃうくらいキレイだし……

え、えっと、璃奈？

やっぱり、大人っぽい雰囲気は口調……なのかな？
真似、できるかな？

璃奈、今よりもっと素敵な自分になりたいの？

うん。だって素敵な人になれたら、きっと自分に自信が
つきそうだし、同好会のみんなの力にもなれるかもしれないから。
だから絵里さんみたいに素敵な人になりたい

ええ。私、璃奈の気持ち、とてもわかるわ。
みんなのためにも、自分のためにも、もっと成長したいわよね

ただ、私を見本にしても、
それは本当の意味での成長じゃないと思うの。
もちろん、いろいろなことを知って知識を増やすのはいいことよ

だから私が教えられることがあるなら教えるわ。
でも、無理に背伸びをしなくていいの。
璃奈は璃奈の良さを見つけて、素敵に成長していけばいいんだから

私の、良さ？

私から見たら、あなただってとっても可愛くて、素敵よ。
だから、そのままあなたらしくいてほしい

ふふ、私もなんだかやる気がでてきたわ。
璃奈がそんなふうに憧れてくれてるんですもの。
もっともっと頑張らなくちゃね！