Ch. 44 Ep. 10: 応援の範疇
「応援は無意味」と言われたことが気になるあなた。だけどそれにばかり気を取られてはいられない。高校生ゲームクリエイターコンテストが明日に迫っている!
あなた
(善子ちゃんからすごいもの借りちゃったよ~!
みんなに見せなきゃ!)
あなた
(これだけゲーム雑誌があれば勉強になるよね)
あなた
っと、わわっ!?
[Fade in/out.]
あなた
すっ、すみません!! 大丈夫ですか!?
ツムギ
ええ、大丈夫です。
あなたこそ平気ですか?
あなた
はい!
ツムギ
たくさん抱えて重そうですね。
運ぶの手伝いましょうか?
あなた
……
ツムギ
あの……?
あなた
思い出した! あのときいた方ですよね!?
定期ライブのとき!
ツムギ
あ……
ツムギ
あのときは……
不躾なことを言ってすみませんでした。
親切に誘ってくれたのに、あんなことを……
あなた
私のほうこそすみません。
いきなり声を掛けられたら
びっくりしますよね
あなた
近くで応援してくれる人がひとりでも増えたら、
みんな喜ぶだろうな、って思ってしまって……
ツムギ
それは……どうかな。
私の応援なんて意味ないと思いますけど
あなた
そんなこと……。あの、聞いてもいいですか?
やっぱり気になっちゃって。応援は無意味だ、って、
どうしてそう思ってるのか
[Fade in/out.]
ツムギ
……私は、純粋な応援なんてないって思ってます
ツムギ
応援する気持ちには、
自分が気付いてなくてもエゴが潜んでる
ツムギ
それは応援を続ければ続けるほど膨らんでいって、
いつかただのエゴになる
ツムギ
結局、応援は自分のエゴの押し付けになっちゃうんですよ
ツムギ
相手のために、なんて純粋な気持ちはない。
だから応援に意味はない。私はそう思っているんです
あなた
……そういう考え方もあるんですね
あなた
私の中にはない考えだったから、
そういう意見もあるんだ、ってわかりました
あなた
ただ、応援されて嬉しくない人はいないと思うんです。
応援されたら嬉しいし、頑張る力になると思います
あなた
私たちはずっとそうやって――
ツムギ
あなたは、自分の応援が100%純粋なものだって言えます?
ツムギ
もしかして気付いてないだけかも
ツムギ
……応援の範疇、超えてませんか?
あなた
応援の範疇……
ツムギ
ごめんなさい、
あなたに私の考えを押し付けるつもりはありません。
でも、これが私の考えなんです
[Fade in/out.]
ミア
……ちゃん、ベイビーちゃん!
あなた
あっ、ごめん、何?
ミア
ボーッとしてどうしたのさ?
善子から借りた雑誌で研究するんでしょ?
あなた
う、うん! コンテストは明日だし!
今日は最後のツメだもん!
璃奈
こんなにたくさん貸してくれて、助かる。
善子ちゃんにお礼の電話、しないと
せつ菜
あ、私、先にメッセを入れちゃいました。
善子さんたちも配信見てくださるそうですよ。
気合いが入りますね!
ミア
今からそんな調子じゃ
48時間乗り切れないよ、せつ菜
せつ菜
体力には自信があります! 大丈夫です!
せつ菜
それに、まさに今私たちと同じように
全力で頑張っている方がいますから。
私も全力です!
璃奈
あ、果林さんの撮影、今日だったね
ミア
エマも動画撮影するって出かけてるよね?
あなた
歩夢ちゃんたちも差し入れ作って
持って来てくれるって!
せつ菜
うう~、みなさんのやる気を感じると、私も力が溢れてきます!
さあ、みなさん、最後の準備を頑張りましょう!!
[Fade in/out.]
ツムギ
近江さん、この前の話だけど……
ごめん。やっぱり私、出られない
彼方
そ、そっかあ……
ツムギ
せっかく誘ってくれたのに、本当にごめんね
彼方
ううん、考えてくれただけでもいいの。
ありがとね
ツムギ
近江さんならひとりでも優勝しちゃうよ。
近江さんの作るお菓子、すごくおいしいもん
彼方
いやいや、ツムギちゃんみたいには作れないよ。
彼方ちゃんもツムギちゃんみたいに作れたら、って
思うんだけどね~
ツムギ
自信持って。
近江さんなら大丈夫だから
彼方
うん、頑張るね!
彼方
はあ……
彼方
フラれちゃったな~
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