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Ch. 40 Ep. 8: 薫子のはじまり

時間は深夜。楽しそうにおしゃべりをしていたメンバーもみんな眠りについている。あなたはひとり、どうにも眠れないままでいる。すると薫子がそれに気付き……?

あなた

(……さっきみんなと話していて気づいちゃった)

あなた

(スクールアイドル同好会に入ってから今日まで、
 私が思い出すのはどれもみんなのことばかり)

あなた

(みんなが努力している姿、みんながキラキラしている姿)

あなた

(私が何かやった思い出じゃない……)

薫子

……キミ、眠れないの?

あなた

あ……はい

薫子

興奮しすぎて目が冴えちゃった
……って感じでもなさそうだね

薫子

一体何を悩んでるの?
先生に話してみなよ、みんな寝てるしさ

あなた

すごい、どうしてわかるんですか?

薫子

だって先生だもの、わかるよ

薫子

薫子先生に相談してみなさい

あなた

実は――

[Fade in/out.]

薫子

自分のやりたいことが
見つからなくて悩んでる、か。
青春だね

あなた

もう、本気で悩んでいるんですから
茶化さないでくださいよ

薫子

茶化してないって。
私には十分、キミもやりたいことを
見つけてるように見えるけどな

薫子

だって毎日楽しいんでしょ?

あなた

それは、楽しいです。
けど、私の「楽しい」は今だけ、っていうか。
みんなとは違うな、って、最近思ってて……

あなた

私は「楽しい」に流されてるだけ。
みんなはちゃんと自分だけの「楽しい」を見つけてるのに……

薫子

うーん、
そんな違うような気はしないけどなあ

あなた

違いますよ、全然。
だからなんか、焦っちゃうんです

薫子

そっかあ

あなた

あの、よかったら薫子さんの話を聞かせてもらえませんか。
薫子さんは自分だけの「楽しい」とか、
やりたい事を持ってますよね

薫子

私?
私は別に本能の赴くまま、
好き勝手生きてるだけだよ

薫子

けど、そうだね。
じゃあさ、私がスクールアイドルフェスティバルを
立ち上げたときの話、してあげよっか

薫子

あの頃は、
……スクールアイドルっていう存在を
ほとんど誰も知らなかったんじゃないかな

薫子

私もそうだった。
でもある日出会っちゃったんだよね。
その時のことはすごくよく覚えてる

薫子

キミだってそうでしょ?
初めてスクールアイドルの煌めきに触れた日。
忘れられないよね?

あなた

はい

[Fade in/out.]

あなた

私の場合は歩夢ちゃんと見た
μ'sとAqoursの合同ライブ……。
一瞬で引き込まれました

薫子

私は、小さな公園の野外ステージ。
そこでものすごく楽しそうに歌ってる子がいたんだ

[Fade in/out.]

薫子

ステージを見てる人はほんとにまばら。
見てる、って言うか休憩するために座って、
ついでに見てるって人のほうが多いくらい

薫子

だけど、その子はずっと一生懸命なの。
パフォーマンスに集中しているように見えて、
座ってる人の顔もしっかり見てる

薫子

目の前にいる全員に向かって
語りかけ、歌って、踊って。
その姿に、私はもう心を奪われちゃった!

薫子

気が付いたらステージの近くまで行って見入ってた

薫子

それが私とスクールアイドルとの出会い。
宝物みたいな記憶

あなた

わかります。
スクールアイドルとの出会いの瞬間は、
私も宝物みたいに思ってますから

あなた

それで、薫子さんはどうしたんですか?
その子に話しかけたんですか?

薫子

もちろん!
ステージが終わって、歩いてたとこに突撃したよ!

[Fade in/out.]

あなた

あははっ、薫子さんっぽいです

薫子

思わずその子に
「今の何!? アイドルなの!?」って
聞いちゃった

薫子

で、教えてもらったんだ。
彼女がやってるのは「スクールアイドル」だ、って

薫子

それからその子と仲良くなって、
「スクールアイドル」について
いろいろ教えてもらった

薫子

聞けば聞くほどどんどん興味がわいてきちゃってさ、
それから他のスクールアイドルたちを紹介してもらったよ

薫子

で、そこからは毎週いろんなところに行って、
いろんなスクールアイドルを観たんだ

あなた

さすがの行動力ですね

薫子

行動力なら、キミは私以上じゃないかな。
一度はなくなったスクールアイドルフェスティバルを
再開させたのはキミでしょ?

薫子

おっと、話を戻そっか

薫子

それでね。スクールアイドルのみんなって、
すっごくイキイキしてるでしょ? 私、みんなとなら
なんか楽しいことができそう、って思ったんだ

薫子

彼女たちと一緒なら、今までにない、
何か新しいことができるはず、って!

薫子

だから彼女たちを集めて話し合ったんだ。
なにができるか、なにをしたいか

あなた

それが……
スクールアイドルフェスティバルの原点……?

薫子

そういうことになるね

薫子

最初は大変だったよ。
私もみんなも何から手をつけていいか
全然わかんないんだもん

薫子

失敗ばかりでさあ。あははっ。
けどめちゃめちゃ楽しかったー!

薫子

……と、そろそろ次のサービスエリアだ。
寄るね

薫子

時間的にもちょうどいいから、ここで私たちも仮眠をとろう。
Aqoursのライブ、私も万全の状態で参戦したいからね


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