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Ch. 3 Ep. 10: 見守る瞳

ルビィと花丸の観光案内は沼津の魅力を存分に伝えてくれるものになった。
サマーフェスティバルに向けたダンスレッスンを見学させてもらっていたあなたは、休憩中、ダイヤがノートに熱心に何かを書いていることに気付く。一体何を書いているのだろう?

いっちにー、さーんしっと……ストレッチ終わり!

梨子

花丸ちゃん達、遅いわね。どうしたのかしら

ダイヤ

全く、仕方ありませんわね……ちょっと見てきますわ

花丸

お、遅れてごめんなさいずら~っ!

ルビィ

ごめんなさい!

ダイヤ

大遅刻ですわよ、あなた達! 今日は14時から
屋上でダンスレッスンと決めたはずでしょう!

花丸

ご、ごめんなさい……

あなた

3人で観光案内の台本を考えてたら、夢中になっちゃって、
気付いたら時間が……

ダイヤ

準備で毎日忙しいのはわたくしにもよく分かりますが、
スケジュール管理は日常生活の基本。
怠れば、困るのは自分だけではないのですよ

果南

まぁまぁ、ダイヤ。そのくらいで、ね?
ルビィちゃんと花丸ちゃんはストレッチやっちゃって。
体はもうあったまってるだろうけど、一応ね

ルビィ・花丸

はい

あなた

(はぁ……朝の時といい、また遅れちゃった……)

千歌

大丈夫? 息、すごく乱れてる

あなた

千歌ちゃん! ありがとう、私は大丈夫だよ。
というか、朝、ごめんね! ずっと待っててくれたみたいなのに

千歌

いいよいいよ~、気にしないで! 
私こそ、先に行っちゃってごめんね。学校の中、迷わなかった?

あなた

おかげさまで

千歌

えへへ、よかった~。それがちょっと心配だったんだぁ

あなた

あの、私、練習見学させてもらってもいいかな?

いいよ~♪ むしろ一緒に踊る?

あなた

えっ! いやいや、遠慮します! 
すみっこで大人しく見させていただきます!

ダイヤ

さぁ、みなさん! ダンスのフォーメーションを
一度確認しますわよ。集まってください

[Fade in/out.]

ダイヤ

――――はい、そこまで。10分休憩にしましょう

千歌

はぁ~っ、疲れた……

あなた

みんな、お疲れ様! タオルと飲み物どうぞ

鞠莉

サンキュー♪ あ~、タオルふわふわで気持ち良いわ~♡

果南

ありがとう。悪いね、
なんだかいいように使っちゃってるみたいで……

あなた

気にしないで。私が好きでやってることだし、
少しでもみんなの手伝いが出来ればって思うから

あなた

(Aqoursのダンス……間近で見ると、
 ますますハイレベルってことが分かる)

あなた

(未完成なのにこれほどなんて、
 今までどれだけ練習してきたんだろう)

ダイヤ

開始のズレは改善傾向……
ただし終了時のズレがやや大きくなっている……

あなた

(ダイヤさん? ノートに何か書きながら呟いてる……)

あなた

あの、何をして……いるんですか?

ダイヤ

敬語でなくて構いませんわよ

あなた

はい! あ、うん! ダイヤさんを目の前にすると、
ついビシッとしないとって思っちゃって……

ダイヤ

わたくしはそんなに厳しそうに見えるでしょうか……。
先程も、遅刻を注意するためとはいえ、
少々きつく言ってしまいましたし……はぁ

あなた

落ち込むことないよ! 確かにちょっと怖かったけど……

あなた

あんなふうにビシッと言ってくれる人って、
グループの中には絶対必要だと思うよ

ダイヤ

ありがとうございます……。
そう言っていただけると、心が軽くなりますわ

あなた

ところで、そのノートは? さっき、何を書いてたの?

ダイヤ

レッスンの記録ですわ。ご覧になりますか?

あなた

いいの? じゃあ、失礼して……

あなた

おおっ! その日のレッスンの様子やメンバーの体調、
それに、サマーフェスティバルの準備の状況まで……

あなた

す、すごい、細かい……!

ダイヤ

記録することで歌やダンスの制作期間を把握出来れば、
現在の自分達の力量や、次回のスケジュールを
割り振る時の目安に出来ます

ダイヤ

体調については基本は自己管理ですが、
他人だからこそ感じ取れる異変もあるでしょうから。
注意するに越したことはありませんわ

あなた

すごいなぁ……! 私も虹ヶ咲で同じようなことしてるけど、
どうしても日記になっちゃうんだよね。
何月何日、今日は何々をしました、みたいな

あなた

私もみんなのために、もっとちゃんと
『記録』をつけるようにしなきゃだめだな……

ダイヤ

あなたは……

あなた

うん、なに?

ダイヤ

あなたは、ステージに上がりたいとは思わないのですか?

あなた

ステージに?

ダイヤ

勘違いなさらないでくださいませね。仲間をサポートしたい、
というあなたの気持ちを疑っているのではありませんわ

ダイヤ

ただ、スクールアイドルに関わる身なら、自分自身が
ライトを浴びたいと思うこともあるのではないかと……

あなた

……うーん、それが……、
不思議と、そういう気持ちは無いんだよね

ダイヤ

そう、なのですか?

あなた

うん。あ、ステージが嫌いっていうわけじゃないよ? 
ただね、大好きなスクールアイドルを一番近くで応援する……

あなた

一番の、理解者になりたいんだ

あなた

それって、自分がスクールアイドルになって活躍するより、
すっごく贅沢なことだと思うから

あなた

だから、私はステージに上がらなくてもいい。
その代わり、誰よりも近いところで、みんなを見守りたい

ダイヤ

そうですか……。虹ヶ咲のみなさんは、
あなたのような方に恵まれて、幸せですわね

[Fade in/out.]

あなた

はあ~~~~。今日は色んなことがあったなぁ

あなた

曜ちゃんと善子ちゃんの料理の試食に、
ルビィちゃん、花丸ちゃんと観光案内作り……

あなた

(準備は着々と進んでる。ダンスも完成が近づいてきたし……
 早くサマーフェスティバルの舞台で観てみたいなぁ♪)

アナウンサー

『続いて気象情報です。日本の南の海上で、台風が発生しました』

あなた

(うわ、台風か~。でも、この予想進路だと
 そんなに心配しなくてよさそうかな?)

あなた

(せっかくのお祭り、青空の下でやりたいもんね)


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