ま～ったく、相変わらず学食はダメね。
ハンバーグやソーセージなんて肉じゃないわよ

ステーキを置けとは言わないまでも、
スペアリブくらい用意してほしいわ

と言いつつ、ヌードル完食してたじゃん

午後にもステージがあるんだから、
それに合わせたメニューにしただけ

ここに戻ってくる前、生徒が出してる屋台で買ったたこ焼きは？

あれはちょっと懐かしくなって手が出ただけよ

懐かしいってなに？
ランジュ、日本にそんな思い出あるんだ？

思い出……なんて過去の幻影とは全然違うわよ。
ランジュにとっては運命と言える大事件なんだから

なるほど、スクールアイドルフェスティバルか

そうよ！　あのときの高揚感に似てるの！
あのね……

Stop.
いいよ、暗記できるくらい聞かされたから

ようやく納得できた

[Fade in/out.]

ミア！　ランジュと一緒に日本にきなさい！
スクールアイドルになるわよ！

What the hell?

School……なに？

スクールアイドルよ、スクールアイドル！

自分の個性をぶつけ合える場よ！
誰もが自分の魅力や個性を大爆発させることができるの！

自分の最高を信じて、相手の最高も認めて……

見た目、スタイル、声、スキル、経験……
自分の持ってる最高の武器全てを使って、全力でぶつかれるのよ！

これこそランジュが求めるものだわ！！

[Fade in/out.]

スクールアイドルフェスティバル……

いつもなら、プロが完璧と思える仕事をしても
納得しないランジュが、今回は愛のやり方を優先したの、
おかしいと思ってたんだよ

あら、ランジュは常に最高で完璧なものを求めるわよ。
このランジュにふさわしいものをね

知ってるよ。
ていうか、そういうランジュしか知らなかった

けどまあ、今のランジュも悪くない

ボクも憧れるよ、スクールアイドルフェスティバルに

ミアもスクールアイドル始めたんだから、
今日のイベントに出ればよかったのに。
楽しいわよ、真剣勝負

出てはいないけど、真剣勝負はしてるつもりだよ

どういうこと？

作曲勝負だよ。スクールアイドル部の作曲担当として、
同好会のベイビーちゃんに負けるわけにはいかないからね

何言ってるのよ？　そんなの勝負するまでもなく
ミアの圧勝じゃない。あんな子、勝負の対象にもならないわ

結構評価してくれてるんだ、ボクのこと

そうだな……以前のボクのフィールドでなら、
勝負にならないと思う。けど、スクールアイドルでは違う。
あの子は特別なものを持ってるのかもしれない

事実、１回戦は２勝２敗だったしね

……それはパフォーマー勝負の結果に過ぎないでしょ？

なにをそんなに気にしてるのか全然わからないわ。
ミアは最高よ

ボクのセンサーには引っかかるものがあるんだよ

まあ、ミアがそう言うんだったら……

けど、空っぽでしょ、あの子。
ランジュにはまったく理解できないわ。
あんな子を評価するなんて

空っぽ？　ランジュにはそう見えるんだ

ええ、空っぽよ。
あの子の曲は作曲家の味がまるでしないもの。
魅力的に聞こえるのは、パフォーマーの力よ

そっか。実際に触れてみないとわからないかもね、
あの子の味は。
ボクも完全に理解しているわけじゃないけど

触れなくてもわかるわよ。
あの子は大したことない

作曲家としてはミアのほうが圧倒的に上。
このランジュがそう言うんだから、それが正解なの！

それを証明するためにも必ず優勝してあげるわ

あっはは、ランジュが自分のこと以外にモチベーションを
向けてくれるなんて、驚いたな

じゃあ、曲の魅力が最大に引き出せるよう、
午後に向けて少し調整しよう

待って、ランジュもミアに頼みたいことがあったのよ

ランジュは誰も手が届かないような高みにいくの。
協力できるなんてラッキーね

[Fade in/out.]

もうすぐ午後の部だね……

午前中、あんなにすごかったんだもん、
この後のステージはどうなっちゃうのかな。
ドキドキするよ……

ワクワクとドキドキが止まらないよね～

かすみちゃん、
お昼食べすぎたって言ってたけど平気かなあ？

えっ！？　胃薬とか……いるかな？
私ちょっと見てくるね

３人とも、午後も司会よろしくねー！

はーい！