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Ch. 22 Ep. 2: ボクの曲

同好会のゲリラライブが一定の評価を得てきた。SNSに並ぶ、「いいじゃん!」の声に自信を深めるメンバー達。一方、最近ミアの姿が見えないことを心配していた部の面々。大人びて見えてもまだ子供であるミアへの心配は尽きず……?

あなた

あ、璃奈ちゃん。これから学食?

璃奈

うん

あなた

歩夢ちゃんたちと一緒に食べるんだけど、璃奈ちゃんも行こうよ

璃奈

ありがと。嬉しいな

あなた

(あれ、あそこにいるのって……)

[Fade in/out.]

ミア

ドアを壊すなんて、非常識だよ

ランジュ

仕方ないでしょ、ミアが引きこもって出てこないんだから

栞子

確かに、やり方はいただけませんが、
ランジュもミアさんのことを心配してるんですよ

ミア

別に心配してくれなんて頼んでない

ランジュ

もちろん頼まれた覚えなんてないわ。
アタシはアタシがやりたいことをやるだけよ

ランジュ

もう、そんなことより、新曲はいつになったら聞かせて
もらえるの? あんまり遅いから、果林たちってば、
ミアがスランプなんじゃないかってジョークまで言うのよ

ミア

……曲なら、できてるよ……

ランジュ

なーんだ! それならあとで聞かせてよね

ミア

……ボク、やっぱ部室で食べるから。見たい配信もあるし

ランジュ

配信……? ああ、ベースボール?
別にいいけど、ランジュと栞子と一緒のほうが
おもしろいんじゃない?

ミア

ベースボールのほうがおもしろい

ランジュ

今日は三人でランチするの!

ミア

You oppressive tyrant.

栞子

まあまあ、料理が冷めますし、大人しく食べましょう

ミア

まったく……。こんなわがままお嬢様と幼馴染だなんて、
栞子も苦労するね

ランジュ

そんなことないわよ! ランジュと栞子と薫子は
ずーーーーっと昔からの大親友なんだから!

ミア

って、言ってるけど?

栞子

手がかかるところも含めて、放ってはおけないんですよ

ミア

栞子も変わってるね。ま、それならランジュとお似合いだ

ランジュ

それにしても、ここの学食には食べ応えのある
お肉が足りないわね。ママに言って、スペアリブでも
メニューに加えてもらおうかしら

ランジュ

ミアもハンバーガーなんかじゃ力が出ないわよ

ミア

ボクはこれが好きなの

ランジュ

そんなものばかり食べてたら大きくなれないわよ!
肉よ、肉! がっつりした肉を食べなさい!

[Fade in/out.]

あなた

遠くから見ても、やっぱり目立つなあ……

歩夢

栞子ちゃんたち、今日は学食なんだね

璃奈

ミアさん、私と同じハンバーガー食べてる。
ミアさんも、好きなのかな?

歩夢

私、ちょっと栞子ちゃんに声かけてくる。いいかな?

璃奈

私も行く

あなた

じゃあ、三人で行っちゃおうか?

[Fade in/out.]

歩夢

栞子ちゃん!

栞子

歩夢さん!

ランジュ

きゃあ! 歩夢! 璃奈!

ランジュ

……と、アナタもいたのね

あなた

あはは、こんにちは。今日は学食でランチ?

ランジュ

ふふん! ここにいたら歩夢たちに会えるでしょ!

栞子

す、すみません。言い方はアレですが、気持ちは純粋なので……

あなた

うん、素直だなってことはわかるから大丈夫だよ

ランジュ

歩夢、璃奈、せっかくだから一緒に食べましょうよ!
あっ、お肉! お肉があったほうがいいわね!
今からシェフに言って持ってこさせるわ!

[Fade in/out.]

ミア

――今聞いてもらったのが、次の曲だよ

なんかいつもと雰囲気違うね?

ランジュ

ダメね! ミア、これは前回の曲を超えてないわ

果林

ランジュ、そんな言い方はよしたほうがいいわ

ランジュ

ダメなものをダメって言えないパフォーマーは、
ステージに対して失礼よ、果林。ランジュは真剣なの

ランジュ

ダメなものはダメ、いいものはいい、話はそこからよ

ランジュ

ミアが閉じこもってたワケ、わかったわ。
アタシたちを打ちのめす曲が作れなかったからね

ミア

……Shit.

ランジュ

不機嫌なのはこっちだわ。アタシはミアを最高のメンバーだと
思って連れてきたの。アタシを満足させる曲を作るのは、
ミアの使命よ

ランジュ

テイラー家の一員なら、できて当然でしょ?

ミア

……っ

栞子

ランジュ、もういいでしょう。
これまで驚異的なスピードで最高の曲を作ってきたんです。
ミアさんの実力は疑いようがありません

栞子

建設的な議論をしましょう。果林さん、愛さん、
今の曲を聞いた素直な感想を聞かせてください

あのね、愛さん、直感的に、
「あ、なんかあの子の曲のイメージがちらつくな」って思った

ミア

はあ!?
ボクよりあんなベイビーちゃんみたいなのが上ってこと!?

果林

愛はそういう意味で言ってないわ。ミアはミア、
あの子はあの子よ。ミアの曲がミアにしか作れないように、
あの子の曲はあの子にしか作れないの

ミア

……それってやっぱり、
ボクがあの子に負けてるってことじゃないの?

どっちが上とか下とかって話じゃないんだ。方向性が
違うというか……愛さんはあの子の曲が大好きだけど、
ミアの曲だって大好きだよ

ミア

もういい。みんながブッ飛ぶような曲、作ってやるよ。
だから、ボクのことは放っておいて!


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