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Ch. 20 Ep. 10: しずくの決意

みんなで力を合わせて開催したゲリラライブ。しかしスクールアイドル部が緊急ライブをぶつけてきたことで、ほとんどのお客さんが向こうに行ってしまった。でも、残ってくれた人を大事に! もっともっと頑張ろう!! そう決意したはずが……?

璃奈

大大大、反省会……

せつ菜

観客のほとんどが部のほうを見に行ってしまいましたね。
悔しいですが、部の人気は本物です

歩夢

うん。やっぱり、部のクオリティはすごいもんね……。
でも、私たちと一緒に楽しんでくれる人たちがいてくれて嬉しい。
とっても力になるよね

彼方

うん! みんな一緒に楽しめたよね~

エマ

そうだよ!
わたしたちのことを応援してくれる人にライブを届けられたんだよ

かすみ

だからこそ、かすみんたち、もっともっと頑張らないとです!

あなた

すごくいいライブだった! 見てて感動しちゃった!
本当にすごかったよ、感動しすぎて何度も泣いちゃったもん!

あなた

残念に思うところはあるけど、今回のライブで確信したよ。
みんなはすごいって! その気持ちは嘘じゃないから!
みんなのこと大好きだよ!

かすみ

ですよね! かすみん、自分でもそう思います!
かすみんたちはスクールアイドル部になんて
ぜんぜん負けてません!

あなた

あのね、私、ランジュさんと話をして
落ち込んでるんじゃないか、って、
かすみちゃんに言われたんだ

あなた

言われたときはそんなことないって思ってたんだけど、
やっぱりそうだったのかも

あなた

帰国してすぐに見たあのライブ、向こうで見たものと
遜色ないようなすごいステージだった。それに、部室の設備や
ミアちゃんの作る曲……何もかもが驚きだったんだ

あなた

この環境でみんなが活動したら、どれだけのステップアップに
なるんだろう、どんなパフォーマンスを見せてくれるんだろう、
って何度も想像したよ

かすみ

先輩……

あなた

でもね、ゲリラライブでそんなの全部吹っ飛んじゃった。
設備や予算、それに人手の多さはかなわないけど、
スクールアイドルはそれで決まるわけじゃないんだよね

あなた

みんなの魅力は、そんなことなんにも関係ない

あなた

だからね、私、やっぱりみんなと一緒に続けたい!
私のわがままかもしれないけど、みんなのために曲を作りたいし
私の曲をみんなに歌ってほしい

あなた

それで、みんなの一番近くにいたい。一番側で応援したいよ!

歩夢

わ、私も! 私もあなたに一番近くにいてほしい!

彼方

彼方ちゃんもあなたがいないとダメ

せつ菜

あなたがいてくれないと、私、
またいつ暴走するかわかりませんよ!

みんな

あははは!

かすみ

やっといつもの先輩に戻ってくれましたね

かすみ

先輩はかすみんたちの一番の味方でいてくれるって
あの日約束してくれたんですから、
ずーっとそばにいてください!

エマ

わたしたちのやりたいスクールアイドルを一緒に考えて、
一緒に目指してくれるあなただから、わたしたちは全力で
スクールアイドルができるんだよ。一緒に頑張ろう

あなた

うん。私、もっともっといい曲を作る。
それにみんなのサポートももっと頑張る

彼方

さ~て、じゃあ、さっそく作戦会議だ~。この先どうする~?

せつ菜

まず、活動の許可は下りないことを
前提として考えなくてはいけませんね

かすみ

だったら、このままゲリラライブを続けましょう!
かすみんたちのやり方で、同好会の魅力を伝えていくんです!

璃奈

部に負けないくらい盛り上がれば、
きっと、応援してくれるみんなが、声をあげてくれるはず

エマ

うん。わたしたちのライブをもっともっと見たいって
言ってもらえるよね?

歩夢

そうだね。まずは味方をたくさん作ろう!

彼方

うんうん。見てくれる人がどんどん増えていくようにがんばろ~

しずく

あ、あの……

せつ菜

噂の仕掛けをもっとたくさん考えてみましょう!

彼方

どんなふうにする~?

しずく

あの! みなさん……!

エマ

どうしたの、しずくちゃん?

しずく

……あの

しずく

私……スクールアイドル部に……行こうと思うんです

かすみ

えええ!? なに言ってんの、しず子!?

エマ

しずくちゃん……本気じゃないよね……?

しずく

本気、です……

かすみ

なんで!? いやだよそんなの!

しずく

ごめん、かすみさん……。でも……

しずく

もう、決めたから

かすみ

……しず子、さいてーだよ。
このタイミングで部に移るって、
人気のあるところでスクールアイドルしたいだけじゃん!

しずく

ち、違うの! そうじゃなくて、
私、先輩に言われた時からずっと考えてたの!

かすみ

……いやだ!
しず子なんてもう知らない

あなた

かすみちゃん……。今後のことを考えて、って言ったのは私だよ。
私は、しずくちゃんの決めたことを大事にしてあげたい……

せつ菜

……残念なことに変わりはありませんが、
しずくさんもよく考えてのことなら……

璃奈

私も……寂しいけど、しずくちゃんの意思を尊重してあげたい

しずく

せつ菜さん、璃奈さん……

かすみ

せっかくみんなで頑張っていこうって空気だったのに台無しだよ!
かすみん帰る!

しずく

あっ……

かすみ

しず子なんて、もう一緒に帰ってあげないんだから!
しず子のばかばかーっ!!

[Fade in/out.]

あなた

しずくちゃん、ちょっといいかな?

しずく

……先輩も、私に失望しましたか?

あなた

それは絶対にないよ! それに考えて欲しいって言ったのは私。
だから気にしないで。自分の決めたことに自信を持ってほしい。
しずくちゃんがそう決めたのなら、私は心から応援するよ

しずく

先輩……

あなた

部のパフォーマンスは本当に気圧されるものがあるもん。
あれを見たら、部で挑戦したくなる気持ちはわかる

しずく

あの、そうじゃないんです。私、部と同好会で何がどう違うのか、
自分の目で確かめたいんです

あなた

え、どういうこと?

しずく

部のパフォーマンスは、確かにすごいです。
圧巻……とすら言えると思います

しずく

圧倒的な空気に引き込まれているのに……、
ふと、同好会のパフォーマンスが頭をよぎるんです。
本当に、ふと思い出すんです……

しずく

クオリティを聞かれたら、おそらく100人中100人、
部のほうが勝っていると言うと思います

しずく

でも……なぜか私はそれに同意できません。
今日のかすみさん、ランジュさんに負けてないと思いました

あなた

しずくちゃん……

しずく

……なにが違うんでしょうね。なにかが違うのに、
それがわからないことがもどかしいんです

しずく

だから私、部に行ってきます

しずく

その謎が解ければ、私だって……

あなた

もういいよ、しずくちゃん。すごく悩んでたんだね

しずく

……実は、恥ずかしながら、
ちょっとだけ勢いで言っちゃったところもあります

しずく

私、かすみさんのこと凄いって思ったんです

かすみ

歌も、ダンスも……部の方が上かもしれないけど、
かすみんはまだまだかもしれないけど、それでも、
みんなが応援してくれる限り、かすみん負けてないんです!

しずく

あんな風に言うの、今の私には無理だな、って……
思ってしまいました。
そう思ってしまった自分にも落ち込みました

しずく

だから、負けるもんかって思ったんです。私も成長して、
自信を持って私の方が魅力的なんだと言い切れるようになりたい。
そう思いました

しずく

先輩……。こんな私でも、応援してくれますか?

あなた

私は何があってもしずくちゃんの味方だよ。
だから納得出来るまで頑張って。
部に行っても、しずくちゃんのことずっと応援してるから

しずく

はい! 待っていてください。絶対に成長して戻ってきます!


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