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Ch. 18 Ep. 9: 疑心暗鬼!?

絶海の孤島に佇む別荘で、こときれた穂乃果が見つかった! にこたちは犯人探しに奔走するが……!?

絵里

で、これからどうしようっていうの?

果林

絵里ちゃん、まだ顔色が悪いわよ。大丈夫?
にこちゃんに、もうやめるよう言ったほうがいいわね

絵里

言ってもきっと聞かないわよ。ひとまずやりたいだけやらせて、
言いたいことは終わってから言うわ。じっくりとね……

果林

なら、私も付き合うわ。
どうやら、みんなもその気のようだしね。
本気にしてる3人を除いて

[Fade in/out.]

せつ菜

なにが目的で、犯人は穂乃果さんを殺害したのでしょう……?

にこ

「きっと……恨みね!」

歩夢

そんな……!
穂乃果ちゃんが誰かに恨まれるような子じゃないって、
にこさんたちが一番よくわかってるでしょ!?

にこ

そ、そりゃそうよ。穂乃果はそんな子じゃないけど……
その、そう!
「殺人までするような相手だし、普通じゃないのかもね!」

エマ

ここ、わたしたち以外には誰もいないんでしょ?
犯人はどこからきたんだろう……

にこ

「それは捕まえてみないとわからないわね」

せつ菜

つ、捕まえる気なんですか!?

にこ

「じゃないと、安心して過ごせないでしょ。
 迎えの船が来るのは明後日よ。
 それまで、この島からは出られないんだから……!」

歩夢

ただの高校生ができることなんてないよ。
穂乃果ちゃんを安全なところに移して、
私たちも隠れたほうがいいと思う!

にこ

「甘いわね。攻撃は最大の防御って言うでしょ、
 攻めなきゃ負けよ」

[Fade in/out.]

真姫

なにが負けなんだか……

最初はひどい演技だったけど、にこっち……うまくなってるやん!
このままいけば騙しきれるんやない!?

絵里

はあ……。そんなわけないでしょ?
あの3人だっていくらなんでも気づくわよ

彼方

あはは……歩夢ちゃんとエマちゃんは純粋だし、
せつ菜ちゃんは、ちょっと妄想癖が強めだから……どうかな?

海未

あとで、歩夢、せつ菜、エマの3人には、
しっかりと注意をしましょう……。
あの大根演技に騙されているようでは、将来が心配です

彼方

あはは~……おっしゃる通り……

せつ菜

私、決意しました……。確かに危険かもしれませんが、
穂乃果さんをあのような目に遭わせた犯人を
許すわけにはいきません。捕まえて罪を償わせなくては!

にこ

「せつ菜、その意気よ!」

にこ

「まず、何組かに分かれて建物の中を見回りましょう!
 一瞬たりとも気を抜くんじゃないわよ!!」

[Fade in/out.]

せつ菜

くまなく探したのですが、犯人を見つけることはできませんでした

にこ

「一体、どこに隠れてるのかしらね!」

海未

よくもまあ、あんな嘘を……。歩夢たちがかわいそうです

絵里

屋敷を探すって言い出したからには、
なにか仕掛けでもあるのかと思ったけど、
なにもなかったわね

果林

でも、ドラマだったらそろそろ次の展開が起こるころよ?

だとしたら楽しみやね

にこ

みんな疲れたでしょ、少し休憩にしましょう。
こういう時は気持ちを落ち着けないとね

にこ

ことり、ココアでもいれてくれる?

ことり

うん、今いれてくるね

[Fade in/out.]

ことり

はい、ココアだよ

ありがとにゃー

にこ

ちょっと、凛、花陽! ちゃんと役目があるでしょ!

あ、そうだったにゃ

「こ、こんなの飲めないよ!」

花陽

「そ、そうだよ! 犯人かもしれない人がいれたココアなんて、
 飲めるはず……ないよ!」

ことり

「ことりのこと疑ってるの!?」

「だって、ことりが第一発見者でしょ! 同室だし!」

かすみ

「一番怪しいじゃないですか!」

璃奈

「私、死にたくないよー」

栞子

え? あの、みなさん……?

かすみ

しお子もかすみんたちに合わせて!
ほらっ! 死にたくないーって言って!

栞子

「わ、私だってまだ死にたくはありまひぇっ……」

栞子

噛んでしまいました……

かすみ

オッケーオッケー! どんまい!

「ことりちゃん、今なら間に合うから罪を償ってほしいにゃ!」

花陽

「きっと、穂乃果ちゃんもそれを望んでいるよ」

うーん、そうきたか……

彼方

みんな棒読みだね~

ことり

「そんなぁ。私が穂乃果ちゃんを殺すなんて絶対にないよ……!
 みんなひどいよ、くすん……」

しずく

「果たしてそうでしょうか、ことりさん……。
 この世に、絶対などというものは存在しないのでは?」

しずく

「例えば今日のバーベキュー。ことりさんは、
 自分の分のお肉を穂乃果さんにあげていましたね?
 みんなで釣った魚も……、甘い……甘いとうもろこしすらも!!」

しずくちゃんだけ別格やん……

しずく

「こういうことは、以前にもあったのでは?
 どうですか、海未さん!」

海未

えっ!? 私!? 

海未

え、ええ、まあ……。ことりは穂乃果に甘いですからね

しずく

「そうです! どんなに小さな雪の結晶も、
 降り積もれば全てを覆い尽くす……。
 殺意とは、そのように生まれるのです!」

真姫

女優の卵の底力、すごいわ……

しずく

「さあ、どうです、ことりさん。反論できますか!?」

ことり

「しずくちゃんも私のことを疑ってるの?」

しずく

「別に、ことりさん1人を疑っているわけではありません。
 なぜなら容疑者は、ここにいる全員なのですから!」

[Fade in/out.]

海未

震えるほどの演技力なのに、周りがアレだと、
こうも場違いに見えるものなのですね……

にこっちがもう少し頑張ってくれれば……

果林

まあ、最初の頃よりは、慣れてうまくなったんじゃない

彼方

彼方ちゃん、もう、寝そう……すやぁ……

[Fade in/out.]

しずく

「全員が疑わしい以上、誰も信じるわけにはいきません」

しずく

「身の潔白を証明するためにも、
 みなさんには、事件当時のアリバイを証言してもらいます!」


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