story:main:chapter-15:episode-10:ja

Ch. 15 Ep. 10: 衝突

穂乃果と千歌から、メインステージのトップバッターをニジガクのみんなに頼みたい、と言われ、ますますスクールアイドルフェスティバルの開催に向けて、強く責任を感じるあなた。そんなある日、あなたは栞子に呼び出されて……?

栞子

ご足労いただいて、すみません

あなた

ごめんね、ボランティアの人たちに連絡しないといけないから、
すぐ行かなくちゃいけないんだけど……今日はどうしたの?

栞子

今日、お話があるのは私ではなくて上原さんです

あなた

歩夢ちゃん?

栞子

さあ、中で上原さんがお待ちです

[Fade in/out.]

歩夢

なんだか久しぶりだね……元気にしてた?

あなた

う、うん、久しぶり……。歩夢ちゃん……どうしたの?

歩夢

最近、朝も放課後も部活に来ないから、
栞子ちゃんに協力してもらって
あなたと話す時間を作ってもらったの

あなた

みんなとの時間が取れないのは、本当に悪いと思ってる……。
だけど、今は何より優先させなきゃいけないことがあるんだ

歩夢

無理してない? 体を壊したら意味ないよ?
同好会のみんなも、あなたのこと心配してる

あなた

大丈夫。スクールアイドルフェスティバルが終わるまでは、
絶対倒れたりしないから安心して

歩夢

安心なんかできないよ……少しくらい休んで……
ううん、私たちのこと、もっと頼ってほしい

あなた

それはダメ。歩夢ちゃんたちには練習を頑張ってほしい。
みんなに連絡した通り、μ'sとAqoursと同じステージに
立てるんだよ? そのために全ての時間を使ってほしい!

歩夢

もちろん、練習はちゃんとやるよ。
μ'sとAqoursと同じステージに立つんだもん。
恥ずかしくないパフォーマンスをしなきゃって思ってる

歩夢

でも、今はまず、ボランティア集めが先でしょ?
あなただけに任せきりにしたくない、私たちも手伝いたい

歩夢

私たち、同好会の仲間でしょ……? 力を合わせようよ……

あなた

ありがとう。でも、ボランティア集めがあんなことになったのは、
私のせいだから、自分で責任を取りたい。
これは、私がやらなきゃいけない、私の仕事なんだよ

あなた

そのせいで同好会のみんなには迷惑かけてるかもしれないけど、
でもこれはみんなのために必要なことだから……

歩夢

みんなのため?

あなた

うん

歩夢

本当にみんなのためを思ってるんだったら……
部活に顔を出してくれたほうが嬉しいよ……

あなた

もちろんそうしたいよ。でも、今は難しいんだ。
私がやるべきことをやらないと、スクールアイドルフェスティバルが
ダメになっちゃう。それだけは避けないといけないから……

歩夢

ダメになっちゃうのって、そんなにダメ?
こんな風になってまで成功させなきゃいけないものかな?
諦めたって――

あなた

諦めないよ! 諦めるなんて絶対にない。そんな弱い気持ちじゃ、できることもできなくなっちゃうよ!

歩夢

そうだけど、スクールアイドルフェスティバルって
そんなに大事!?

歩夢

あなた、同好会が認められたとき、一番最初に
約束してくれたよね? 「どんなことがあっても絶対に味方。
全力で応援する」って。私、今それを感じられない……

あなた

そ、それは……。
でも、日本中のスクールアイドルがこのイベントを
楽しみにしてくれてるんだよ!?

あなた

みんなステージに立ちたいって、このイベントで夢を叶えたいって言ってくれてるんだよ? 私たちの夢もそうだけど、
みんなの夢のことも考えないと!

あなた

μ'sとAqoursだって、そのためにたくさん頑張ってくれてる。
だから、このイベントは絶対に成功させないとダメなんだよ

あなた

みんなの夢なんだよ……。だから、やらないと。
歩夢ちゃんも、それはわかってるでしょ?

歩夢

うん……わかるよ……

あなた

だったら……!

歩夢

わかるけど……気持ちがついていかないよ!

あなた

え?

歩夢

私がわがままなのかもしれない。ううん、わがままなんだと思う。
あなたの言ってることは正しいよ。ここまできたら中止なんてありえないよね。やらなきゃいけないって……私だってわかってるけど……

歩夢

今、寂しくて仕方ないの……

あなた

歩夢ちゃん……

歩夢

私だけじゃないよ。みんな寂しいって言ってる。
あなたがいないとやっぱり物足りないって、
あなたがいるから頑張れるのに、って……

あなた

あ、ボランティア希望だった人から電話!
折り返してくれたんだ……。ちょっと待って、この電話には
出なくちゃ。歩夢ちゃん、この話はまた後で……

歩夢

えっ! ま、まって、これだけ渡したい!

あなた

え?

歩夢

あのね、これ、あなたへのプレゼントなの。日頃の感謝の気持ちをこめて、栞子ちゃんと一緒に選んだんだ。最初のページに
みんなからのちょっとしたサプライズがあるんだよ?

歩夢

あ、サプライズって先に言っちゃったらサプライズにならないよね。えっと、電話が終わってからでいいから、とにかく今日は一緒に部室に行こうよ。それで久しぶりにみんなと一緒に練習を――

あなた

ごめん、今はこっちにだけ集中させて

歩夢

でも……

歩夢

あ……ごめん。電話切れちゃったね……

あなた

急いでかけ直さないと!

歩夢

待って! せめてこのプレゼントは受け取って!
みんなの気持ちが書いてあるから!

あなた

今はやらなきゃいけないことがあるって言ってるでしょ!
私たち幼馴染なのに、どうして私の気持ちを
わかってくれないの!!

あなた

あ……

歩夢

わかんないよ……

あなた

あの、ごめん……

歩夢

あなたのこと、もうわかんない!!
それにあなただって私の気持ち全然わかってくれないじゃない!

歩夢

私はみんなの夢とか、本当はどうでもいいの!
ただあなたと……あなたと一緒に部活がしたかったから、
あなたに誘われたから、スクールアイドルを始めたの!

歩夢

私たちのこと応援するって、絶対に私たちの味方だって
約束してくれたくせに、今のあなたは私たちのこと
全然見てくれてない!

歩夢

今の同好会がどうなってるかまるで知らないじゃない!
全然楽しくないんだよ!

歩夢

……楽しくないんだったら、私、
もうスクールアイドルなんてどうでもいい……

歩夢

スクールアイドルなんて好きじゃない……ばかっ!!

あなた

あ、歩夢ちゃん!?

あなた

……なんで? なんでわかってくれないの!?
みんなの夢も、スクールアイドルのことも、
歩夢ちゃんにとってはその程度のこと……?

あなた

歩夢ちゃんがあんなこと言う子だなんて、私、思ってなかった……

栞子

……私が口を挟むことではないですが、言わせてもらいますね。
上原さんにあそこまで言わせたのは、あなたですよ

あなた

え?

栞子

彼女がどんな顔をしていたか、よく思い出してみてください……

あなた

…………


Contributors to this page:
story/main/chapter-15/episode-10/ja.txt · Last modified: 2022/09/15 10:07 by Aran (Bot)