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Ch. 13 Ep. 10: 信じる心

歩夢から今回のライブ、そしてスクールアイドルに対して抱く思いを聞いた栞子。そしていよいよ、学校説明会についての第7回ミーティングが始まる……。

あなた

そろそろミーティングの時間だね。栞子ちゃん、大丈夫?

栞子

はい、先日あなたと話したことについて、
自分なりに考えを深めてみました

栞子

その結果、これなら、という結論が出せました

あなた

本当!? 良かった!
だったら今日のミーティングで全部決められるかもしれないね!

栞子

ええ、そう願います……いえ、決めます

栞子

ですから、あなたにはその後の作業がスムーズに進められるよう、
他の生徒会のメンバーと一緒に準備をしておいてほしいのです

あなた

いいけど……栞子ちゃん、本当に一人で大丈夫?

栞子

大丈夫です。信じてください

あなた

わかったよ、栞子ちゃん。頑張ってね!

[Fade in/out.]

栞子

それでは学校説明会についての第7回ミーティングを
始めたいと思います

せつ菜

今日は大丈夫でしょうか……

歩夢

あの子も動いてくれてたし、
きっと今までみたいな平行線で終わることはないよ

せつ菜

確かに、そうですね

歩夢

うん。あの子と栞子さんを信じよう……!

バスケ部部長

この間うちが出した譲歩案は見てもらえた?

栞子

ええ、いただいたものは全て拝見しました

バスケ部部長

検討はしてもらえたのかな?

栞子

順を追って説明します。
まずは手元の資料に目を通して下さい

ソフトボール部部長

わかったわ……あら?

栞子

なにか?

バスケ部部長

ここに書いてあることは本当?

栞子

本当です

栞子

細かい調整はあとでお願いすると思いますが、
そこに書かれている通り、ステージ上で行うことは
基本的に各部に任せます

栞子

各部、活動内容の魅力を伝え、見に来てくれた人たちが
是非入りたいと思うような発表にしてください

せつ菜

すごい……これまでと全然違いますよ。
ここまで変えてくるなんて……

せつ菜

うちの部長が各部と調整をしてきていたというのは
聞いていましたが、この内容だとほぼこちら側からの要望が
叶えられているのではないでしょうか

歩夢

栞子さん……どの部活のやり方も見守ろうって
思ってくれたんじゃないかな……

せつ菜

ええ、そんな感じですね。
これならどこも異論はないはずです

ソフトボール部部長

これなら思う存分、うちの部の魅力を伝えられるわ

栞子

ただし、資料にあるように、
この情報だけは必ず入れてください

栞子

その人自身の適性によっては、
他の部活動を勧める可能性があります

バスケ部部長

それじゃ、前となにも変わらないじゃない!

栞子

そんなことはないでしょう、あなた方の要望通り、
発表内容は各部自由にしていいと認めています

栞子

こちらが譲歩しているのに、そちらはなにひとつ譲歩しない
というのはフェアではないと思いませんか?

ソフトボール部部長

だからってそんなの……

栞子

こちらからの要望は一つだけ。
ステージの上で今言ったことは絶対に伝えてもらいます

せつ菜

ど、どうしましょう、
また空気がおかしな感じに……

歩夢

大丈夫、見守ろう、せつ菜ちゃん

歩夢

あのね、この間、栞子さんが私に言ってくれたの

歩夢

無駄だと思う活動をしていても、
その過程にあるすべてを無意味だって否定するのは
間違っているかも、って

歩夢

あの栞子さんがそこまで考えを変えてくれたんだよ。
私はその言葉を信じたい……

せつ菜

栞子さんがそんなことを……?

せつ菜

わかりました。
歩夢さんがそう言うなら、私も見守ります

せつ菜

それに、栞子さんは、いつだって学園の生徒たちのことを
一番に考えてくれているんだって私もよく知っていますから……!

ソフトボール部部長

「適性によっては他の部活動を勧める可能性がある」なんて、
一番伝えたくないことなんだけど……

栞子

「適性によっては、他の部活動を勧める可能性がある」この一文は外せません

栞子

ですが、だからといって入部希望者にそれを押し付けたり、
入部を拒否することはありません

栞子

虹ヶ咲学園は生徒ひとりひとりの適性をしっかり考え、
一緒に後悔のない道を探していきたいと思っています

栞子

だから安心して入学してください、とお伝えください

バスケ部部長

え? 結局は希望すれば入部できるってこと?

栞子

はい、この条件でいかがですか?

ソフトボール部部長

……そういうことなら、うちは異論ないわ

歩夢

やった……!

せつ菜

よかった……! 納まるところに納まったという感じですね!

歩夢

うん。栞子さんのやり方だって間違ってないもの。
そういう説明を聞いて安心する人だってきっといるし、
一番いい形だよ

せつ菜

ええ、やはり栞子さんは生徒会長にふさわしい人ですね

[Fade in/out.]

あなた

お疲れ様、栞子ちゃん。みんな納得してくれてよかったね

栞子

ありがとうございます。
これも、あなたが事前に各部と交渉をしてきてくれたおかげですよ

栞子

それがあってこその、今日のミーティングでした

栞子

それに……

あなた

それに?

栞子

同好会活動をしてみて、得たものもありましたし

あなた

本当!? じゃあ、スクールアイドルのこと……

栞子

待ってください。スクールアイドルに対する私の考え自体に
変わりはありません。ただ、言葉にはできませんが、
感じるものがあった……というだけです

あなた

それで十分だよ、栞子ちゃん。
スクールアイドルは感じるもの。いいなって
思ったり好きだなって思ったり、そういうことでいいんだから

栞子

はあ……? あなたは少し楽天的すぎではありませんか?

栞子

まあ、そういう度量の大きさも大事だと思いますが

あなた

ねえ、まだ部室でみんな練習してると思うんだけど、
今から一緒に行こうよ!

栞子

私は今日のミーティングの資料整理がありますので……

[Fade in/out.]

栞子

早く終わったら行くことにしましょう

あなた

うん!


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