未来のラボは大騒ぎ Ep. 1
千歌
日々進歩する科学技術、生活を支える便利な道具。
未知の解明、奇跡の発明、
世界の明日を支える天王寺ラボへようこそ~~♪
絵里
初めまして、科学雑誌『サイエンスμ(ミュー)』のライター、
絢瀬絵里です。本日は取材を許可していただき
ありがとうございます
千歌
こちらこそ、今日はよろしくお願いします♪
研究員の高海千歌です
絵里
存じております。ほかの雑誌やネット記事で
お名前を拝見したことがありますから。
普通の水道水を天然温泉に変える装置を開発したんですよね?
千歌
うん! 入浴剤を使わなくても日本全国の温泉を体験できるよ。
えへへ、私ってば有名人~♪
絵里
その装置のお話も是非聞かせてください。
それで、今日は所長の天王寺璃奈さんは……
千歌
今日は私が所長だよ。代理です♪
絵里
代理? じゃあ所長は留守ってこと?
あ、お留守ということで……?
千歌
いいよいいよ、楽な感じで話して♪
璃奈ちゃん――――所長も本当はいるはずだったんだけど、
急に海外へ出張することになっちゃったんだ
絵里
じゃあ取材は日を改めたほうがいいかしら……
千歌
えっ、帰っちゃうの!? せっかく来てくれたんだし、
中を見て行ってよ。研究員のみんなも揃ってるから、
色々お話できるよ! お菓子もあるし
絵里
ふふっ、お菓子ね。
なんだか友達の家に遊びに来たみたい
絵里
そうね……所長が不在の今だからこそ
聞ける話もあるかもしれない。
分かった、お邪魔させてもらうわ
千歌
やった~♪ さぁ、どうぞ!
夢の研究開発の秘密基地、天王寺ラボをご案内~♪
[Fade in/out.]
千歌
お話するなら、やっぱり応接室?
でも所長室もカッコイイから見てほしいし……あ、食堂なら
ごはん食べながらできるからそっちのほうがいいかなぁ
絵里
温泉装置もそうだけど、
所長の代理を任されるなんて本当に優秀なのね
千歌
そ、そう? ほんとにそう思う?
絵里
だって一時的とはいえ、このラボの代表、最高責任者よ?
並みの実力じゃ任されないわ
千歌
えへへ~♪ そうだよね、すごいことだよね~♪
ラボのみんなからは心配されたんだけど、やっぱり私――――
梨子
あ――――っ! いた!!
千歌
うわあっ! り、梨子ちゃん!
梨子
また仕事放り出してふらふらしてたのね!
書類整理が面倒なのは分かるけど、
今は千歌ちゃんが所長なんだからしっかりしてくれないと困るわ!
千歌
だってやってもやっても終わんないんだも~ん!
休憩しないと頭が変になりそうなんだよおぉ
梨子
だからって5分置きはさすがに休憩し過ぎよ。
も~……分かった、じゃあ残ってる書類が半分、
いえ、3分の1終わったら、ご褒美をあげる
千歌
ご褒美!?
梨子
そう。なーんでも千歌ちゃんの好きなものをあげる。
だからもう少し頑張りましょう
千歌
分かった! 頑張りまーす!
梨子
よろしい。
じゃ、所長室に戻りましょうね
千歌
はーい♪
絵里
た、楽しそうなラボね……
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