ヨハネと花陽の事件簿 Ep. 7
善子
みんな、集まってくれてありがとう。
私たちを恐怖のどん底に陥れた怪盗Kの正体がわかったのよ!!
絵里
なんだか随分と大げさなことになってるわね……
歩夢
まあまあ、絵里さん……。
それで善子ちゃん、怪盗の正体って?
善子
ふっふっふ……。
犯人は、この中にいるわ!!
果南
この中って……どういうこと!?
善子
いくわよ! 花陽!
花陽
うんっ!
善子
「この世に存在する、あらゆる謎の迷宮を」
花陽
「解き明かすのは私達」
善子
「どれだけ巧みなトリックも」
花陽
「私達の手にかかれば、たちまち霧消」
善子&花陽
「真実という名の扉を開くのは、私たち!」
善子
そう、犯人は、怪盗Kは……
善子
あなたよ。
……彼方!!!
彼方
え~、彼方ちゃん知らないよ。
濡れ衣だよ~
絵里
なんで彼方だと思ったの?
善子
教えてあげましょう! 私と花陽は、彼方に
「小道具が盗まれた」としか言わなかったのに、
彼方はなぜかそれがテーブルクロスだと知っていたからよ!
彼方
え~、それは……
善子
なぜ盗まれたものが
テーブルクロスだとわかったのかしら?
善子
答えは1つ。それは、
彼方がテーブルクロスを盗んだ本人だからよ!
善子
さあ、素直に認めなさい、怪盗K!
彼方
テーブルクロスがなくなったっていうのは、
果南ちゃんに聞いてただけだよ〜
果南
そうだね。確かにテーブルクロスがなくなったことは
話したけど、怪盗の話はしなかった
絵里
これでは、彼方が怪盗だと決めつけることはできないわね
善子
ふふふ、甘い甘い、甘いわね!
花陽
穂乃果ちゃんちのお菓子より甘くて、
ほっぺたが落ちちゃいそうだよ!
善子
さあ、花陽。言い逃れができない
決定的な証拠を突きつけてあげなさい
花陽
彼方さんは、私達の話を聞くまで
怪盗の存在を知らなかったんだよね?
彼方
うん。全然知らないよ~
花陽
じゃあ……、どうして怪盗Kが残していったカードから、
彼方さんが持ってた焼きおにぎりと同じお味噌の匂いがするの?
彼方
偶然じゃないのかな?
お味噌なんてどこにでもあるものだし
善子
彼方……。あなた、言ったわよね?
焼きおにぎりに使っているお味噌は、彼方の手作りだって。
つまり、そのお味噌は彼方だけが持っているものなのよ!
善子
さあ、言い逃れできるものならしてごらんなさい!
彼方
ふふふふふ……
彼方
よくぞこの謎を解き明かした、
名探偵ヨハネに助手花陽!
彼方
大怪盗Kこと彼方ちゃん、ここに見参!
なんちゃって~
善子
ついに認めたわね!
花陽
彼方さん!
どうしてテーブルクロスなんか盗んだの!?
彼方
ふっふっふ……。
これには、ふか〜い理由があるんだよ〜
彼方
なかなか息の合わない2人のために、
彼方ちゃんたちみんなで考えて、
一芝居打たせてもらったのだ〜!
善子&花陽
ええ〜〜〜〜!?
絵里
結果、2人で協力し合い、
こうして真相に辿りつくことができたわね
歩夢
さっきのセリフ、2人の息ピッタリだったね。
まるで本物の探偵と助手みたいだったよ!
果南
だね。今なら振り付けもピッタリ合うと思うよ
花陽
そ、そういうことだったんだ……。
確かに、うまくいきすぎてたもんね……。
うう、恥ずかしい!
歩夢
恥ずかしくなんてないよ!
花陽ちゃん、かっこよかったよ〜
絵里
最初は半信半疑だったけど、彼方の作戦通りだったわね。
まさか本当に、お味噌の匂いに気がつくなんて
果南
そこは、さすが花陽ちゃんだよね
花陽
なんだかたくさん迷惑をかけてたんだね。
ごめんね
歩夢
気にしないで。
私たちだってみ〜んな楽しんじゃってたし♪
善子
そこまで期待されていては、応えないわけにはいかないわね!
迷惑をかけたお詫びは舞台でお返しするわ
彼方
この怪盗Kがここまで追い詰められたんだから、
2人はもう立派な探偵と助手だよ!
ミュージカル絶対楽しくなりそうだね
善子&花陽
もちろん!
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