story:event:itex-35:episode-3:ja

彼方の和菓子と照る山紅葉 Ep. 3

にこ

わあ、見て! 川よ!

梨子

うーん、風が気持ちいいね

絵里

ちょうどいいわ。ここで休憩しましょうか

しずく

いいですね。そうしましょう

梨子

あれ? 彼方さんとミアちゃんは?

ミア

はあ……はあ……はあ……

彼方

ぜえ……ぜえ……ぜえ……

ミア・彼方

限……界……

にこ

ちょっと! 
ミア、彼方、しっかりしなさいよっ!

梨子

大丈夫?

彼方

すやぁ~

梨子

って、寝てる!?

絵里

彼方、朝から眠そうだったものね。
少し休ませてあげましょうか

絵里

ミアはどう? 平気?

ミア

I'm OK……これぐらい大したことないさ。
少し休めば、すぐに歩けるようになるよ

ミア

それにしても、すごい景色だね

ミア

す~……は~……。
なんでかな。いつもより深く息が吸える気がする

ミア

なんだか心が洗われるみたいだ

梨子

ほんとね。それにここは、音も素敵

梨子

川の音を聴いていると、なんだか心が落ち着くよね

ミア

そうだ。せっかくだから記録しておこうかな

梨子

記録?

ミア

スマホを使って、川の音を録音するんだ。
曲作りの時に素材として使えるかもしれないからね

梨子

音を素材にするの?

ミア

うん。データ上なら無限に重ねることができるからね。
時々、街の喧騒なんかも録音するんだよ

梨子

へえ。
私はピアノから着想を得るから、なんだか新鮮

しずく

ミアさんと梨子さんは、
いつでも曲作りのことを考えてるんですね

ミア

ボクにとっては、風の音も川の音も、すべてが音楽だからね

梨子

それ、私も分かる気がするな

絵里

作曲する者同士、通じ合うところがあるみたいね

にこ

さあ、もう十分休んだわね。
いよいよ山頂アタック! きりきりいくわよー!

ミア

ええっ!? にこ、気が早いよ。
もう少し休ませて

彼方

すやぁ……


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story/event/itex-35/episode-3/ja.txt · Last modified: 2022/11/07 06:04 by Aran (Bot)