作詞風景が見たい……とのことでしたね。
あなたがいるから普段通りに書けるか心配なのですが……
やってみます

海未ちゃん、ありがとう♪　頑張ってね！

…………

…………そ、そんなに見つめないでください！

ご、ごめん！　つい……じゃあ私、本でも読んでいようかな。
机の上にある漫画、読んでもいい？

はい、先日穂乃果に借りた漫画なんです。
平安時代にタイムスリップしてしまうという少女漫画で……

そうなんだ。かわいい絵柄で面白そう！

ですが、面白いというより……その……

えっ、海未ちゃん？
（なんでだろう、海未ちゃんが悲しそうな顔をしてる）

心は結ばれても、時代の壁を超えることは難しく……

（漫画の内容を思い出してるみたい。
　海未ちゃんって……感受性が豊かなんだな）

す、すみません！　私も作詞に入りますから、
あなたは漫画を読んでいてくださいね

[Fade in/out.]

…………

（海未ちゃん、すごく真剣な顔をしてる。
　弓道の時も、こんな表情をしてるのかな）

…………

（あっ。今度はすごく嬉しそうにしてる
　……歌詞の中に嬉しくなるようなものがあるのかな？）

（海未ちゃんの横顔って……綺麗だな）

……あの

[Fade in/out.]

はっ……！　ご、ごめんなさい。
つい海未ちゃんのことを見つめちゃって……

一つあなたに聞きたいことがあるのですが……
作詞中、私の表情も変化していましたか？

え？　う……うん
（すごく変化していたような気がする）

やはり表情に出ているのですね。
薄々そうではないかと思っていたのですが……恥ずかしいです

私、海未ちゃんのことを見ていて思ったんだけど……

作詞をしているところはあまり見せたくなかったのですが……
あなたには私たちの活動を知ってもらう必要がありますから

海未ちゃん、ありがとう♪

自分の中の感情を引き出しながら作るから、
色んな雰囲気の歌詞が生まれるんだね。
すごいなあって思っちゃった

……ありがとうございます。
そう言ってもらえるのは、嬉しいです

ふふ。ここまで見せたのですから……
いつかあなたにも作詞を手伝ってもらいますからね？

うん！
その日のためにも、もっと海未ちゃんの姿を見ておこうっと♪

わ、私のことはそんなに見ないでくださいっ！