あの漫画は私とあなたとふたりで描きあげたものです。
ですからペンネームも特別なものを作りました

ということは、優木せつ菜も中川菜々も
授賞式に参加するには相応しくありません

……ですから、参加は辞退しましょうか……

ええ！？　そ、それはダメだよ。参加してほしい！
だって、せつ菜ちゃんがあの漫画にどれだけ想いを込めてたかを
知ってるもん！

漫画家セットを大事に持ち歩いてるだけだったせつ菜ちゃんが
描くことを選んで、一生懸命頑張って！
たくさん悩みながら出来上がったときのことは忘れられない！

私は授賞式に参加するせつ菜ちゃんが見たいよ！

ですが……

どんな自分で出席したらいいかわからないなら、
あのペンネームにふさわしいせつ菜ちゃんを作ろう

え？

菜々ちゃんの中にせつ菜ちゃんがいたように、
あのペンネームにふさわしい子もいるはずだよ！
探そう！

ええ～～～！？

[Fade in/out.]

というわけで、漫画家・せつ菜ちゃん探しを始めます

は、はい……

まずは、大先生キャラで考えてみよう。
大先生っぽく話してみて！

わかりました……！

「え～、この度は、このような素晴らしい賞を
　受賞させていただき、大変光栄に思っております。
　わたくしがこの作品を描こうと思ったきっかけは――」

このキャラ、私っぽいですか？

ご、ごめん。
なんか違うね……

私っぽいと言うなら、やっぱりアニメのキャラです。
理想の主人公になった気持ちでやってみます！

「こんなすっげー賞をもらえるなんて最高の気分だぜ！
　これも全部応援してくれたみんなのおかげさ！
　サンキューな！！」

……

ち、違います、ね……

まだ授賞式まで時間はあるよ。
あの漫画の作者にふさわしいせつ菜ちゃんを探そう！

が、頑張ります！