忍者の修行でしょ、食べ物の研究でしょ……
それに……

手裏剣の特訓や変装の特訓もしたのに……

彼方ちゃん、忍者っぽくなれない～

なんだか、何をやっても
彼方ちゃんのテンポになっちゃうんだよなあ……

映画のくノ一ちゃんみたいに、キリッ、シュバッ、
みたいな感じになりたいのに～

うーん……
でも、忍者がどういうことをしてるかはわかったから、
十分収穫だよ

えーん、あなたのフォローがいまはツライ……

あのさ、忍者そのもののことじゃなくて、
くノ一の子がどういう子なのか、
ってことを考えてみない？

忍者の知識も大切だけど、
くノ一の子の気持ちとか、映画の世界観とかも
曲をイメージするときには必要だと思うんだ

たしかに、そう……

うわあ、彼方ちゃんってば
「くノ一ちゃんは忍者なんだ！」ってことに囚われすぎてた！？

私も同じだよ、
なんか、彼方さんと忍者の研究してるのが楽しくて
そこばっかりにこだわっちゃった

くノ一の子なんだけど、映画では
特別な力があるって書かれてたよね？
えっと……

自分の体のなかにね、「アヤカシ」がいるって設定なの。
「アヤカシ」を倒すのに「アヤカシ」の力を使ってる
っていうところが、くノ一ちゃんの秘密

すごく強大な「アヤカシ」だから、
その力を使うとボロボロになっちゃうんだよ……

でも、くノ一ちゃんはみんなのために戦うの

みんなが笑顔でいるところを見たいから

……もしかして、その部分、
ちょっと彼方さんに重ならない？

え？　彼方ちゃんのなかには
彼方ちゃんしかいないよ？

そこじゃなくて、誰かのためなら無理を厭わないところだよ

ええ～？
彼方ちゃんにはそんなとこないって

うーん、ちょっと違うかもしれないけど、
どんなに遅くまでテスト勉強していても、
次の日の朝は遥ちゃんのお弁当を作るために早起きするでしょ？

だって遥ちゃんのためだよ？
そんなの普通でしょ？

くノ一の子も同じだよ。いくらボロボロになっても、
みんなが笑顔になれるほうがいいから戦うんだよ

似てる……かなあ？

わかった。あなたを信じる。
くノ一ちゃんのこと、そういう部分からもう一度考えてみる